腸内フローラ検査の結果が返ってきて、円グラフやカタカナの菌の名前、A〜Eの評価や5つのタイプといった判定を前に、どこから見ればいいのか迷っていませんか? 見慣れない言葉が並んでいると、まず判定の文字に目が行ってしまうものですよね。
そこで、今回は腸内フローラ検査の結果の見方についてお伝えしていきます。
この記事では、判定の言葉より先に確かめる所と、次に測るときにそろえる条件を知ることができます。
腸内フローラ検査の判定は、比べる相手で意味が変わる
判定は、採った便の菌の構成を、検査会社が持っているデータと比べて出しています。比べる相手は検査ごとに違います。日本人1,803名のデータベースと比べて5つのタイプに分ける検査もあれば、自社に集まった検体の実績をもとに5段階で評価する検査もあります。判定の文字が同じ「B」でも、比べた相手が違えば、意味は同じではありません。
腸内細菌学会は、腸内には約1,000種類の菌がいて、各個人に独特の菌叢(腸内フローラ)がある、と説明しています。その違いが生まれる理由として挙がっているのは、生まれてから菌が定着していった経緯や、家族と生活環境の違いです。標準の1つの形があって、そこからの距離を測っている検査ではありません。
日本人106名と12か国861名を比べた研究では、日本人はビフィズス菌を含む一群が多いなど、他国との違いがはっきり出ています。海外のデータを物差しにした判定と、日本人のデータを物差しにした判定は、別の物差しです。
1回の結果は、採った日の便の記録
菌の構成は動きます。査読つきの研究で、動物性の食品に寄せた食事に変えると翌日から構成が変わり、やめて2日で元に戻ったという報告があります。日本生化学会の総説も、年齢・性別・排便の状況・食事・勤務の状況が腸内細菌叢と関連している、と述べています。
だから結果は、採便したその日の便の記録です。例えば、前の週に旅行で食事が変わっていたり、抗菌薬を飲んでいたりすれば、そのときの構成が出ます。悪い判定は、その日の状態の判定であって、体質の判定ではありません。良い判定も、そのまま続くという話ではありません。
結果の画面は、採便日から順に4つ見る
順番はこうです。
- 採便日。いつの便かを確かめ、そのころの食事や体調に普段と違うことがなかったかを思い出します
- 多様性の数字。菌の種類が豊富で、偏りなく存在しているかの指標で、多くの検査がスコアで出しています
- 主な菌の割合。種類別の構成比率で、判定の元になっているデータです
- 比べた相手の説明。結果のページか検査の説明ページに、何人のどんなデータと比べたかが書かれています。書かれていなければ、比べた相手が分からない判定だということを覚えておきましょう
判定の言葉は、この4つを見たあとに読みます。この順番は、遺伝子検査の結果の見方でお伝えした順番と同じで、判定から根拠へではなく、根拠から判定へ読んでいきます。
結果を医療機関へ持って行くときに添える3つ
Flora Scanの提供元は、この検査が病気を早く見つけるためのものではなく、食生活などを見直すきっかけにするための検査だと書いています。だから結果を持って行く先は「診断してもらう」ためではなく、症状や経過とあわせて読んでもらうためです。
添えるものは3つあります。結果の画面を印刷したもの。採便日と、そのころの食事・便通・飲んでいた薬のメモ。そして、いま気になっていること。医療機関が見るのは症状と経過のほうで、検査の結果はその材料です。
おなかの症状が続いているなら、順番は逆になります。結果を読み解くより先に、医療機関で症状を診てもらってください。
次に測るなら、同じ検査で
同じ便でも、検査ごとに菌のDNAのどの部分を読むか(読む領域)が違うと、結果が変わります。だから2回目は同じ検査で受けましょう。採る条件もそろえます。2026年9月の時点で、提供元の1つは平常時に近い状態での採便を勧め、もう1つは数か月に一度の間隔で推移を見る形を示しています。旅行や体調を崩した直後を避けるだけで、比べやすくなります。
結果は捨てずに、採便日と一緒に残しておきましょう。数字は、並べたときに読めるようになります。
判定より先に、比べた相手を見る
腸内フローラ検査の結果で見るのは、比べた相手と、元の数字、そして採った日。判定の言葉は最後です。この検査がそもそも何を見ているかは、腸内フローラ検査とはで説明していますので、全体がつながりますよ。
2回目の検査を考えている方は、前回と同じ検査で並べられるかどうかが、選ぶときの軸の1つになります。どの検査が前回との比較を同じ画面に出すかは、腸内フローラ検査の選び方で説明しています(この先の記事には広告があります)。
出典
- ヒトの腸内細菌はそれぞれ異なるのでしょうか?|腸内細菌学会(公益財団法人)
- 食と腸内細菌が織りなす腸内代謝環境の構築と健康への影響|生化学(日本生化学会・2023)
- 16S rRNA遺伝子から見る腸内細菌叢の魅力|生物工学会誌
- The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness|DNA Research (2016)
- Diet rapidly and reproducibly alters the human gut microbiome|Nature (2014)
- 腸内フローラ検査の説明|マイキンソー(サイキンソー)
- Flora Scan(フローラスキャン)|プリメディカ
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

