久しぶりに会った親が、前よりほっそりして見えたことはありませんか?
太っていないなら大丈夫なのか、それとも体重が減ってきているのは気にしたほうがいいのか、親のこととなると判断に迷いますよね。
そこで、今回は高齢の人のBMIについてお伝えしていきます。
この記事では、BMIの計算の仕方と、国が65歳以上の人に目標としているBMIの範囲、その下限が若い世代より高いわけ、そして親の体重の見方を知ることができます。
65歳以上の目標とするBMIは、21.5〜24.9
国の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、65歳以上の人の目標とするBMIを、21.5〜24.9としています。
食事摂取基準は、健康な人が1日にどれくらいのエネルギーや栄養をとるとよいかを、国がまとめている物です。その中で、年齢ごとに目標とするBMIの範囲が示されています。
| 年齢 | 目標とするBMI |
|---|---|
| 50〜64歳 | 20.0〜24.9 |
| 65〜74歳 | 21.5〜24.9 |
| 75歳以上 | 21.5〜24.9 |
この範囲は男女で同じです。表の注には、あくまでも参考として使うものだ、とも書かれています。
この表で、65歳から変わるのは下限だけです。50〜64歳の20.0から、21.5へと上がっています。
BMIは、身長と体重から出す体格の目安
BMIは、体重と身長から出す、体格の目安になる数字です。
計算するときは、体重(kg)を、身長(m)で2回割ります。例えば、身長155cm(1.55m)、体重50kgの人なら、50÷1.55÷1.55で、BMIはおよそ20.8になります。この数字は、65歳以上の目標とする範囲の下限(21.5)より下になります。
では、なぜ食事摂取基準に、体格の数字が出てくるのでしょう?それは、BMIが、食べたエネルギーと体が使ったエネルギーのつり合いを見る物差しとして使われているからです。
食べたエネルギーと体が使ったエネルギーが同じなら、体重は変わりません。食べたエネルギーが使った分より多い状態が続けば体重は増え、少ない状態が続けば体重は減っていきます。そこで食事摂取基準では、エネルギーをとる量と使う量のつり合いが保たれているかを、体重の変化とBMIで見ることにしています。
65歳から下限が上がるのは、やせにも気を配るため
65歳以上で目標の下限が上がっているのは、高齢の人では、太りすぎと同じかそれ以上に、やせていることが健康に与える影響にも気を配ることが大事だと考えられているからです。
食事摂取基準は、BMIと、その後の健康の様子との関係を調べたたくさんの研究をもとに、目標とするBMIの範囲を決めています。そのうえで、ほかに考えておきたい健康のことも合わせて、65歳以上の下限を21.5としています。
なお、BMIの「基準値」と呼ばれることもありますが、食事摂取基準での名前は「目標とするBMIの範囲」です。
BMIの数字だけで、親の体を決めない
BMIは、目安の1つとして見るものです。
食事摂取基準でも、65歳以上の人については、一人ひとりの尊厳や暮らしの質を保つことにも十分に気を配り、その人の特性をよくふまえた対応が望まれる、としています。高齢の人の章には、BMIの値で一律に評価して手を打つことはなじまない、とも書かれています。これは、数字だけで決めつけず一人ひとりを見る、という意味で、目標より低くても何もしなくてよい、という意味ではありません。
1日に要るエネルギーの目安(推定エネルギー必要量)も、食事摂取基準では参考として示されています。その量をとっても、体重が減る人も増える人もいるほど、人によって差があるためです。これは表の数字の側の話で、親の体重が減っていることを、人による差だと片づけてよいという意味ではありません。年齢で体が使うエネルギーがどう変わるかは、高齢者のたんぱく質の目安は?の記事でも説明しています。
親の体重は、1回の数字より変化で見る
親の体重を見るときは、1回の数字より、前と比べてどう変わっているかを見てみましょう。
まずは、電話で話すときや帰省したときに、親に身長と体重を聞いて、BMIを計算してみましょう。そのうえで、体重を量ったときには、日付と一緒に書き留めておいてもらうと、前と比べることができます。
もし、体重が減ってきている、BMIが目標とする範囲より低いなど、気になることがあるときは、記録がそろうのを待たずに、家族だけで食事の量を決めずに、最近の体重の変わり方をかかりつけのお医者さん(いなければ、近くの医療機関)に伝えて、体の様子を診てもらうよう、親に声をかけてみましょう。
また、持病で治療を受けているときや、お医者さんから食事について指示を受けているときは、その指示が先になります。食事摂取基準も、病気の治療が目的のときは、その病気に合わせた食事の決まりを使うとしています。治療を受けているときは、食べる量を自己判断で増やしたり減らしたりせず、お医者さんの指示にしたがってください。
年齢で変わる筋肉の量と、国が高齢の人にすすめている体の動かし方は、年齢で筋肉量はどう変わる?の記事で、健診の結果票の「基準範囲」の読み方は、健康診断の基準範囲とはの記事でも説明していますので、ぜひご覧ください。
ちなみに、筋肉の中で働くたんぱく質を作る遺伝子の中には、生まれつき人によって型が違うものがあります。筋肉に関わる遺伝子と、遺伝子検査で分かることは、運動能力は遺伝で決まる?の記事でお伝えしていますので、こちらもあわせてご覧ください。
出典(2026年11月7日確認)
この記事は、国や学会が公開している資料と、公開されている論文をもとに構成しました。数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
診断や治療をするものではありません。
検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

