腸内フローラ検査の「多様性」は何の数字?|低いと出たときに確かめること

腸内フローラ検査の「多様性」は何の数字? ── 低いと出たときに確かめること 遺伝子検査の読み方

腸内フローラ検査の結果が返ってきて、「多様性」の欄に「低い」や「平均的」の印と、小数点のついた数字が書いてあった、ということはありませんか? 「低い」と書かれていると、何か足りないものを抱えているような気がして、気になってしまいますよね。

そこで、今回は腸内フローラ検査の「多様性」の数字についてお伝えしていきます。

この記事では、多様性の数字が何を数えているのかと、「低い」と出たときに結果票で確かめる所を知ることができます。

多様性スコアは、菌の種類の多さと偏りの少なさ

まず、多様性の数字は、便の中にいた菌の種類の多さと、割合の偏りの少なさをまとめて1つにしたものです。病気があるかどうかを示す数字ではなく、数字だけで良い悪いが決まるものでもありません。

腸内細菌学会の用語集は、多様性を「菌の集まりの構造を理解したり比べたりするための指標」と説明しています。1人の便の中を見るもの(α多様性)と、2人の便がどれだけ似ているかを見るもの(β多様性)に分かれ、結果票の「多様性」は1人の便の中を見る側の話です。

その中にも計算の仕方がいくつもあります。用語集には、種類の多さを見る計算と、種類ごとの割合がどれだけ均等かを見る計算(Shannon指数など)が、別々の名前で載っています。同じ便でも、どの計算を使うかで出てくる数字は変わります。

多様性の欄で見るのは、判定・数字・前回の欄

サイキンソーが公開している医療機関向けの見本の結果票では、多様性の欄に次のものが並んでいました。

  • 「高い(良好)」「平均的」「低い」のどれに入ったか
  • 多様性スコアの数字
  • 前回と前々回の判定と数字

この見本の欄には、どの計算で出した数字なのか、誰と比べて「高い」なのか、スコアがいくつより下なら「低い」なのかは書かれていませんでした。個人で申し込む検査や別の会社の結果票が同じ作りかは分かりません。それでも、判定と数字と前回の欄を見ることは変わりません。

別の会社の数字とは並べられない

計算の仕方が一つではないので、2つの会社で同じ数字が出ても、同じ多さだとは言えません。同じ計算で出した数字かどうかが、結果票からは分からないからです。並べてよいのは、同じ検査の前回と今回です。

「低い」と出たら、悪いということ?

見本の結果票で、提供元は「多様性が高いほど、理想的な腸内環境に近づきやすくなります」と説明しています。

一方で、微生物の集まりを研究する側には慎重な見方もあります。米国の研究者が2017年に国際誌 ISME Journal に出した論考の題は「多様性は問いであって、答えではない」でした。多様性が高いことが「より良い」「健康」を意味するとは限らず、数字だけでは読み解くための文脈が足りない、と書かれています。

多様性の数字の元になる、菌の種類と割合そのものも動きます。2014年にNatureという学術誌に載った研究では、食事を大きく変えると翌日には種類と割合が変わり、戻すと2日ほどで元に近づきました。

そのため、1回の「低い」の印は、体の良し悪しの判定としてではなく、採った日の便がどういう状態だったかを残した1行として読みましょう。上げ方を探す前に、この数字が何の計算で、誰と比べた「低い」なのかを先に確かめます。ISME Journalの論考に沿って考えると、この数字だけからは、上げること自体を目標にする理由は出てこないためです。

「何と比べた低いか」を、提供元に確かめる

結果票かマイページで、多様性の欄の近くに「何と比べた判定か」の説明があるかを探してください。見つからなければ、提供元の問い合わせ先に、次の3つをそのまま送ってみましょう。

「多様性スコアは、何という計算で出した数字ですか」
「『低い』は、どんな人たちの何人分のデータと比べた判定ですか」
「スコアがいくつより下のときに『低い』になりますか」

返事が来れば、手元の「低い」が、誰の中での低いなのかが見えてきます。

前回の欄に数字が入っている方は、判定が前回と同じか、変わったかも見てください。初めての方は、採った日の前の1か月に、抗菌薬(抗生物質)を飲んだ・旅行に出た・食べ方を大きく変えた、のどれかがあったかを思い出し、結果票の余白に書いておくと、今回の「低い」がふだんの自分なのかを考える手がかりになります。菌の種類と割合は、抗菌薬のあとに大きく動くことが分かっているためです。もう一度受けるなら、同じ検査で、こうした出来事の直後を避けて採ります。

菌の名前と割合の欄の読み方は、腸内フローラ検査の結果の見方で説明していますので、ぜひご覧ください。

もう一度受けるか考えている方は、前回と同じ検査で並べられるかどうかが、選ぶときの軸の1つになります。どの検査が前回との比較を同じ画面に出すかは、腸内フローラ検査の選び方で説明しています(この先の記事には広告があります)。

おなかの不調が数週間以上続いているとき、便に血が混じるとき、体重が減っているときは、多様性の数字を読むより先に、医療機関で症状を診てもらってください。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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