血液検査の結果で、フェリチンの行だけが基準より上に出ていませんか?ほかの数字は何も言われなかったのに、そこだけ印が付いていると、鉄が多すぎるのかと気になりますよね。
そこで、今回はフェリチンが高いと出たときの読み方についてお伝えしていきます。
この記事では、フェリチンが何を測っている数字なのか、蓄えの鉄が多くなくても値が上がるのはなぜか、そして同じ結果のどの項目と並べて見ればよいかを知ることができます。
フェリチンは、鉄の蓄えの見当をつける数字
フェリチンは、体の中で鉄をしまっておく入れ物にあたるタンパク質です。血の中に出てきた分を測ると、鉄の蓄えの見当がつきます。日本鉄バイオサイエンス学会の診療指針は、血清フェリチンの正常域をおよそ25〜250ng/mLとしています。12ng/mL未満なら鉄が欠乏している、という線も、同じ指針にあります。
この指針には、正常域の幅はあっても、「ここから上は問題」という線は見当たりません。引かれているのは、鉄が足りない側の線だけです。
炎症や肝臓の傷みでも、フェリチンは上がる
上がり方には、炎症によるものと、肝臓によるものがあります。炎症は、感染やけがなどに体が反応して起きるものです。炎症が続くと、体は鉄を細胞の中へ抱え込む向きに動き、入れ物であるフェリチンが増えて、その一部が血にも出てきます。もうひとつは、肝臓の細胞が傷んで、中にあった入れ物が血のほうへ出てくる場合です。
どちらも、蓄えが増えたから上がったのではありません。数字は同じように上がるのに、体の中で起きていることは別です。
同じ指針は、この上がり方をする場面として、悪性腫瘍・肝障害・感染症・炎症などを挙げています。これは、蓄えと無関係に上がりうる場面の一覧であって、あなたの数字がそのどれかだという意味ではありません。重い名前が並んでいても、そこから自分がどれに当たるかを決めることはできません。
フェリチンと並べて見たい、結果票の項目
読みにくさは、高い側だけの話ではありません。同じ指針は、血清フェリチンが正常範囲であっても鉄欠乏は除外できない、とも書いています。上でも下でも、この1行だけでは足りません。同じ紙の中に、並べて見る相手がいます。
- CRP — 炎症を映します。ここが高く出ていれば、炎症に押し上げられている、と考えることができます
- ASTとALT、γ-GTP — 肝臓の細胞の壊れ方を映します。一緒に動いていれば、肝臓の側の話になります
- 血清鉄とTIBC — 鉄そのものと、運び手の容量です。蓄えの話かどうかは、この2つと並べて見ることで分かってきます
結果票に、これらの行が無いこともあります。その場合、今日その場で、検査の項目を足すことはできません。医療機関で相談するときに、聞いてみることが1つ増えます。
フェリチンの数字1つで、分かること・分からないこと
分かるのは、フェリチンが高いことは、鉄が多すぎることの証明にはならない、というところまでです。
分からないのは、あなたの数字が、どの理由で上がっているのかです。一度の採血では決まらないこともあり、同じくらいの数字が続いているかどうかも、判断の材料になります。数字が基準の外にあることそのものは、それだけでは診断になりません。決めるのは、結果票を持って行った先のお医者さんです。
去年の結果票と、フェリチンの行を並べる
去年と、できればおととしの結果票を出して、フェリチンの行を横に並べてください。ずっと高いのか、今年だけなのかは、1年ぶんだけでは分かりません。去年の結果票にフェリチンの行が無ければ、今年の1枚だけでもかまいません。同じ紙のCRPや、AST・ALT・γ-GTPも、同じ並びで見ておきましょう。
もし、結果票の総合判定の欄に、再検査や精密検査の案内があるなら、そちらが先です。案内が無くても、気になるときは、並べた結果票を持って医療機関で相談してください。ずっと高いのか、今年だけなのかが、お医者さんに聞くときの材料になります。
基準の幅がどうやって作られた数字なのかは、基準範囲とはでも説明していますので、ぜひご覧ください。
出典(2026年10月確認)
- 鉄欠乏・鉄欠乏性貧血の診断指針(鉄欠乏性貧血の診療指針)|日本鉄バイオサイエンス学会
- フェリチン|WEB総合検査案内(LSIメディエンス)
- 総鉄結合能(TIBC)|WEB総合検査案内(LSIメディエンス)
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

