結果票を出してきても、知りたい項目の行がない。近所の内科に電話してみたら、「うちではやっていません」で終わってしまった。そんなふうに、どこで何を頼めばよいのか分からなくなることってありますよね。
そこで、今回は健康診断に無い血液の項目を、病院で追加して測ってもらうことについてお伝えしていきます。この記事では、健診の血液検査が何を見ているかと、知りたいことに合わせた項目の選び方、保険が使えるかどうかの分かれ目を知ることができます。
健診で決まっている血液の検査は、4つ
勤め先で毎年受ける健康診断で最低限やることは、労働安全衛生規則で決まっています。血液にかかわるのは、貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査の4つです。
貧血検査の中身は「血色素量及び赤血球数の検査」。つまり、ヘモグロビン(血液の中で酸素を運ぶ赤い色素)と赤血球の数までです。肝機能検査はGOT・GPT・γ-GTPで肝臓の状態を、血中脂質検査はLDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪の量を、血糖検査は血液の中の糖の量を見ます。2026年9月の時点の条文で、体の鉄の蓄えを見るフェリチンも、亜鉛も、この中にはありません。
結果票に尿酸やクレアチニンが載っている年もあります。それは勤め先や健診機関が上乗せした分で、中身は年や勤め先で変わります。
ですので、結果票に無い行は見落としではなく、はじめから決まりの範囲の外ということになります。
知りたいことから、追加で頼む項目を選ぶ
では、何を追加で頼めばよいのでしょうか。手がかりになるのは、健診の4つの検査が見ていないことのうち、自分が何を知りたいのか、です。
例えば、貧血検査で分かるのは、いま血液の中にあるヘモグロビンと赤血球の数です。体にためてある鉄の量は、この2つでは見ていません。鉄の蓄えを知りたいときの項目は、フェリチンです。ヘモグロビンが基準の中でも、蓄えが減っていることがあります。その話はフェリチンとはという記事で説明していますので、こちらもぜひご覧ください。
亜鉛やマグネシウムのように、健診の枠にそもそも入っていないミネラルもあります。その場合は、「血清亜鉛」「血清マグネシウム」のように(血清は、血液から細胞の成分を取り除いた液体の部分です)、知りたい栄養素の名前の付いた項目を頼むことになります。
もし、どの項目にすればよいか決めきれないときは、何が気になっているのかを、電話や受診のときにそのまま伝えましょう。どの検査が要るかを決めるのは、お医者さんです。
保険が使えるかは、医師が必要と認めるかで決まる
健康保険が使えるかは、頼むときの言い方ではなく、医師が診療上の必要を認めるかどうかで決まります。保険医療機関及び保険医療養担当規則は、保険医の診療を「診療の必要があると認められる疾病又は負傷に対して」行うものと定めています(第12条)。さらに第20条には、「健康診断は、療養の給付の対象として行つてはならない。」「各種の検査は、診療上必要があると認められる場合に行う。」とあります(仮名づかいは条文のまま)。「療養の給付」は、健康保険で受ける診療のことです。
そのため、「健診では異常なしだったけれど、念のため測りたい」は、この決まりの上では、病気やけがの診療ではなく健康診断に近い扱いになり、自費になることが多くなります。逆に、気になる体の様子があって、医師がその検査を必要と判断すれば、保険の中で測れることもあります。保険が使えなかったときも、自費でなら測れます。
頼むときは、言い方より去年の結果票を持って行く
言い方を工夫すれば通るのか、と考えたくなるところですよね。ただ、大切なのは言い方の工夫ではなく、お医者さんが判断するための材料のほうです。伝えるのは事実だけで足ります。例えば、いつから・どんなふうに気になっているか、健診の数字がどう動いてきたか、といったことです。
そのために役に立つのが、去年とおととしの結果票を持って行くことです。知りたい項目の行が無くても、ほかの項目の数字が並んでいれば、お医者さんは判断の材料を持てますし、話も具体的なところから始められます。もし、手元に今年の分しか無いときは、その1枚を持って行きましょう。
1軒で断られても、終わりではありません
院内で測らず、外部の検査会社へ出している医療機関も多くあります。扱えるかは病院ごとに違うので、1軒で断られても、どこでも測れないという意味にはなりません。
次にかける電話で聞くのは、この3点です。
- その項目を扱っているか
- 保険になりそうか、自費か。自費ならいくらか
- 結果が返るまで何日か
料金は医療機関ごとに違うので、電話で聞くのがいちばん確かです。
まず、電話で聞く3点を書き写す
今日できるのは、上の3点と、知りたい項目の名前をメモに写し、去年とおととしの結果票を同じ場所に出しておくことです。そうしておけば、次に電話をかける日にすぐ動けます。もし、かかりつけの医療機関があるなら、次に行く用事のついでに、メモと結果票を持って行ってみましょう。
もし、いま気になる体の様子が続いているなら、項目を選ぶより先に、医療機関でお医者さんに診てもらってください。
出典(2026年10月確認)
- 健康診断等に関する法令等について(労働安全衛生規則 第43条・第44条)|厚生労働省
- 労働安全衛生法に基づく定期健康診断の項目|厚生労働省
- 保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第12条・第20条|厚生労働省
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

