お酒を飲んで、顔はそれほど赤くならないのに、たくさん飲んだ翌朝までお酒が残っている、ということはありませんか?
お酒の体質というとALDH2という名前がよく出てきますが、その隣に並ぶADH1Bが何をしているのかは、なかなか分かりにくいですよね。
そこで、今回はADH1BとALDH2という、お酒の分解で働く2つの酵素の違いについてお伝えしていきます。
この記事では、2つの酵素がお酒の分解のどこで働くのかと、顔が赤くなるかどうかと翌朝まで残るかどうかが別々の話であることを知ることができます。
ADH1Bは前半、ALDH2は後半の分解で働く
アルコール(エタノール)は主に肝臓で、まずアセトアルデヒドという物質に変わり、そのあと酢酸になります。この変化を進めるのが酵素(体の中で物質を別の物質に変える働きをするもの)です。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、アルコールをアセトアルデヒドに変える前半を担うADH(アルコール脱水素酵素)が、分解の主役とされています。ここでいう主役とは分解の速さの話で、顔の赤みの話ではありません。
ADH1Bは、そのADHの1つで、エタノールをアセトアルデヒドに変える役です。ALDH2は、それを酢酸に変えます。飲んだあとに顔が赤くなることや動悸はアセトアルデヒドがたまって起きるので、赤みの強さを主に決めるのは、たまったぶんを片づける後半です。
赤くならない人にも、前半が遅い型はいる
e-ヘルスネットの用語辞典には、ADH1Bのはたらきが弱い人は、飲酒で顔が赤くなりにくい、とも書かれています。
前半が遅ければ、アセトアルデヒドができるのも遅くなります。一度にたまる量が増えにくいので、赤みが出にくくなります。赤くならないからといって、前半が速いとは限りません。
当てはまる人の数も違います。赤くなる反応を起こす人は、厚生労働省が2024年の飲酒のガイドラインで日本に41%程度としています。これに対し、前半が遅い人は、e-ヘルスネットでは日本人の5〜7%です。
ADH1Bの型の差は、少しの量では出ない
e-ヘルスネットは「20g程度の飲酒実験ではADH1Bのタイプによる代謝速度に差がみられません」とも書いています。20gは、ビール(5%)なら500mlほどです。差が出るのは量が増えたときです。
同じ資料によれば、分解が遅い遺伝子の型の人は、多量に飲んだ翌日もアルコールが長く残りやすいとされます。ただし、多量に飲んだときの話で、遅い型だからといって、その人の先々が決まるわけではありません。
型で分かるのは、翌日まで残りやすいかの目安
型が分かると、量を飲んだときに翌日まで残りやすい側かどうかの目安を知ることができます。適量や杯数が分かるわけではありません。遺伝子検査で分かるのも、前半と後半、2つの型の組み合わせです。
赤みと翌朝が食い違う人は、結果表に印をつける
まずは、自分に2つのことを聞いてみましょう。少し飲んだだけで顔が赤くなるか、量を飲んだ日の翌朝までお酒が残っている感じがあるか、の2つです。赤くならないのに翌朝は残る、という食い違いが出た人は、赤みでは見えない、前半が遅い型に当てはまるかもしれません。
そこまで分かったら、去年の健診の結果表を出して、γ-GTP(肝臓の数値)とALT(肝臓の数値)の項目に印をつけておきましょう。来年の結果表と並べたとき、その年の飲み方か、体質かで迷いにくくなります。
なお、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
もし、飲んだあとがつらいときや、二日酔いが重いときは、体質だからと様子を見るのではなく、かかりつけのお医者さんに相談してください。
なお、印をつけたγ-GTPは、飲む習慣が無くても上がることがあります。その理由は、γ-GTPとはで説明しています。
自分の型そのものを調べるかどうか迷っている方に向けて、費用のかからない2つの質問と、検査を受ける3つの道を、アルコール遺伝子検査はどこで受ける?(この先の記事には広告があります)でも説明していますので、ぜひご覧ください。
出典(2026年10月確認)
- アルコールの吸収と分解|e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 1B型アルコール脱水素酵素|e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 2型アルデヒド脱水素酵素|e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(2024年2月19日公表)|厚生労働省
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

