γ-GTPとは|お酒を飲まないのに高い、が起こる理由

γ-GTPとは ── お酒を飲まないのに高い、が起こる理由 検査値の読み方

健康診断の結果で、γ-GTPに印が付いていませんか?お酒はあまり飲まないのに、と思うと、なおさら気になりますよね。

そこで、今回はγ-GTPという項目についてお伝えしていきます。

この記事では、γ-GTPが体の中で何をしている酵素なのか、お酒を飲まなくても値が高く出ることがある理由、そして結果のどの項目と並べて見ればよいかを知ることができます。

γ-GTPは、解毒に使う物質を回して使う酵素

酵素とは、体の中で物質を分けたり組み立てたりする働きを助けるたんぱく質のことです。γ-GTPの正式な名前はγ-グルタミルトランスフェラーゼといい、γ-GTまたはγ-GTPと表記されます。細胞の膜にある酵素で、たんぱく質のかけら(ペプチド)の端にあるグルタミン酸というアミノ酸を、別のペプチドやアミノ酸に渡す働きをします。

この働きが関わっているのが、グルタチオンという物質の作り替え(代謝)です。グルタチオンはグルタミン酸・システイン・グリシンの3つがつながった物質で、肝臓の細胞に多く存在します。

グルタチオンの役割は2つあります。ひとつは有害な物質と結びついて体の外へ出す解毒、もうひとつは活性酸素(ほかの物質を傷めやすい、反応しやすい形の酸素)を処理する抗酸化です。γ-GTPは、この渡す働きで、使い終わったグルタチオンを分けて、材料であるアミノ酸を回収する役目をしています。回収されたシステインは、新しいグルタチオンを作るのに再び使われます。

つまりγ-GTPは、グルタチオンを回して使い続けるための酵素ということになります。

お酒や一部の薬で、γ-GTPが上がるしくみ

お酒のアルコールは、体の中で2つの段階を経て分解されます。まず、アルコールはアセトアルデヒドという物質に変わり、次に、アセトアルデヒドが酢酸に変わります。酢酸は、そのあと筋肉など肝臓の外で分解されていきます。

この分解の過程では、グルタチオンが消費されます。処理の求めが続くと、体はグルタチオンを作る側の働きを強めます。γ-GTPは、材料を回収して作り直しに回す酵素なので、そのとき一緒に増えます。これが、飲酒でγ-GTPが上がる仕組みのひとつとして説明されています。

薬でも同じことが起きます。一部の薬(ジアゼパムやフェニトイン、フェノバルビタールなど)を使っていると、γ-GTPが上がることが知られています。薬で上がる場合には、肝臓の細胞が壊れて中の酵素が血に漏れ出す道と、酵素が作られる量そのものが増える道の、両方があります。

アルコールを処理する酵素そのものにも、生まれつきの型の差があります。厚生労働省のe-ヘルスネットは、アルコールを分解するADH1Bと、その次にできるアセトアルデヒドを分解するALDH2に遺伝子多型があり、分解の速い型と遅い型、働きが弱いかゼロの型があると説明しています。同じ量を飲んでも、体の中での残り方は人によって違う、ということです。

γ-GTPは、お酒以外の理由でも上がる

飲酒の習慣がないのに、γ-GTPが高く出ることがあります。

この酵素は、アルコール専用ではありません。解毒や抗酸化の働きが多く求められる状態が続いているときにも動きます。脂肪肝、薬の使用、胆汁の通り道(胆道)の状態など、いくつもの理由が候補になります。

反対に、γ-GTPが低いと出た場合も、それがそのまま良い状態を意味するわけではありません。グルタチオンを回す仕組みそのものが弱いのかもしれない、という見方もありますが、まだ研究の段階で、言い切れることではありません。

γ-GTPの意味は、1つの数字だけでは決まらない

このように、γ-GTPが上がる理由はいくつもあるので、この項目は単独では読めません。ALT・AST・ALPと並べて、γ-GTPだけが高いのか、ほかも一緒に高いのかを見ます。その形で、次に見る場所が変わります。並べる相手のうち、ALP(アルカリホスファターゼ)は、γ-GTPと同じく、胆汁の流れが滞ると上がる項目です。

並べる相手のASTとALTが何を見ているかは、ASTとALTの違いをわかりやすくでも説明していますので、ぜひご覧ください。

去年の値と比べるのも手です。基準の範囲内でも去年よりはっきり上がっているなら、その間に何が変わったかを思い出す材料になります。

γ-GTPは毎年動きます。いっぽうで、アルコールをどう処理するかという体質は、生まれつきで変わりません。
そのため、飲まないのに高い人にとって、その体質を調べても答えにはなりません。
見るべきなのは、毎年動く側の数字です。ALT・AST・ALPと並べたときの形と、去年からの動きを見ていきましょう。

原因を確かめるには、ほかの血液検査や画像の検査も要ります。そこから先は、結果を持って医療機関で、お医者さんに相談してください。

お酒を飲む人で、お酒で顔が赤くなる体質そのものが気になる場合はALDH2とは、分解の順番での違いはADH1BとALDH2は何が違う?、調べ方はアルコール遺伝子検査はどこで受ける?にまとめています。なお、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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