ホモシステインとは|高値のときに何を見ている検査項目か

ホモシステインとは ── 高値のときに何を見ている検査項目か 検査値の読み方

血液検査の結果や体の説明の中で、「ホモシステイン」という聞き慣れない名前を見かけたことはありませんか?健康診断の基本の項目には入っていないので、見たことがある人は少ないもの。それだけに、何を見ている数字なのか気になりますよね。

そこで、今回はホモシステインという項目についてお伝えしていきます。

この記事では、ホモシステインが体の中のどんな物質で、その数字から何が分かるのかと、測ってもらうときの頼み方を知ることができます。

ホモシステインは、アミノ酸を使い終えたあとの姿

ホモシステインは、メチオニンというアミノ酸から作られます。アミノ酸は、体のたんぱく質のもとになる物質です。

メチオニンは体の中で、メチル基という小さな部品を配って回る役目を持っています。DNAやたんぱく質に目印として付けて、その働きを調整したり、神経の材料を作ったりするときに、この部品が要ります。部品を配り終えたメチオニンは、部品を失った状態になります。それがホモシステインです。

ホモシステインは、いらなくなったごみではありません。部品を配り終えた、メチオニンの使用済みの姿です。

葉酸・B12・B6が足りないと、ホモシステインは溜まる

使用済みのホモシステインには、行き先が2つあります。

1つ目は、メチル基をもう一度もらってメチオニンに戻る道です。この道で部品を渡してくれるのが、葉酸から作られた5-MTHF(葉酸が体で使える形になったもの)という物質です。渡すときの仲介役として、ビタミンB12が働きます。

2つ目は、まったく別の物質に作り変えられる道です。こちらではビタミンB6が働きます。

葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6。この3つのどれかが足りないと、出口が細くなり、ホモシステインが溜まります。この1つの数字が、3つの栄養素の状況をまとめて映すわけです。

ホモシステインの目安と、まだ引かれていない線

厚生労働省のeJIM(「統合医療」の情報を発信するサイト)の解説(2026年時点の掲載)では、血清(血液から血球を除いた液体の部分)のホモシステイン値が15μmol/Lより高い場合、ビタミンB12が足りていない可能性があるとされています。この15μmol/Lは、ビタミンB12の不足を考える目安として示されている数字です。

そのほかに、15μmol/Lより低い値を目安として示す立場もあります。ただし、そうした低い値は臨床の診断基準として確立したものではなく、専門家によって幅があります。ですので、「いくつ以下が良い」という1本の線は、まだ引かれていません。

ビタミンB12と葉酸を見分ける使い方

ホモシステインには、もう1つの使われ方があります。ビタミンB12の不足と葉酸の不足を見分ける材料になる、という使い方です。

使うのは、メチルマロン酸(MMA)という別の項目との組み合わせです。医療機関の解説では、MMAとホモシステインの両方が正常なら、ビタミンB12と葉酸のどちらも、不足しているとは言えないとされています。また、MMAは正常でホモシステインだけが上がっている場合は、ビタミンB12の不足ではないと考えられる、と説明されています。

赤血球の大きさ(MCV)だけでは、ここは分かりません。ビタミンB12不足も葉酸不足も、どちらも赤血球が「大きくなる」方向に出るからです。ホモシステインとMMAは、その区別に踏み込むための項目です。

ホモシステインの値と遺伝子の型は、同じ流れにある

葉酸を使える形(5-MTHF)に変える酵素が、MTHFRです。この酵素の働きやすさには生まれつきの個人差があります。人は同じ遺伝子を父と母から1つずつ受け継いで2つ持っていて、日本人ではおよそ6〜7人に1人が、働きが落ちる遺伝子の型を2つとも持っています。

日本人女性を対象とした研究では、その型(TT型と呼ばれます)の人は血清の葉酸値が低く、ホモシステイン値が高いという結果が報告されています。遺伝子の型と、この検査値は、同じ流れの別の場所を見ているということになります。

この酵素の遺伝子の型の話は、MTHFRとは で説明しています。順番としては、リンク先の記事を先に読んでいただいてもかまいません。

ホモシステインは、医療機関に頼むと測れる

ホモシステインは、医療機関で頼める血液の項目です。健診の基本項目に無いので、自分から言わないと測られません。

もし、測ってみたいときは、内科で「ホモシステインを測りたい」と伝えるのが近道です。保険が使えるかどうかは、測る目的によって変わります。ですので、頼む前に費用を確かめておきましょう。

測った数字が出ても、「ここまでなら良い」という線が決まっていない項目なので、その数字だけで自分の体を判定しないようにしてください。気になる値が出たときは、測ってもらった医療機関のお医者さんに、どう読めばよいかを相談してください。

生まれつきの側(葉酸を使える形に変える酵素の型)をどこで調べるかは、MTHFR検査はどこで受ける? でも説明していますので、ぜひご覧ください。型と値は、同じ流れの別の場所です。どちらの数字も、自己判断でサプリメントなどの栄養素の量を大きく変える理由にはなりません。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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