サプリメントの袋に書かれた「葉酸240μg」と、食べ物の栄養の表にある「葉酸240μg」。同じ数字なら、体に入る量も同じなのでしょうか?ふつうは、同じだと思いますよね。
そこで、今回は食べ物の葉酸とサプリメントの葉酸の違いについてお伝えしていきます。
この記事では、2つの葉酸で体に入る量が違う理由と、サプリメントの表示のどこを見ればよいかを知ることができます。
食べ物の葉酸は、そのままでは吸収されない
食品に含まれる葉酸は、そのほとんどがポリグルタミン酸型という形をしています。グルタミン酸という部品が、尾のようにいくつもつながった状態です。
この形のままでは、小腸の壁を通れません。消化管の酵素が尾を切り落とし、モノグルタミン酸型という短い形にしてから、はじめて吸収されます。
一方、サプリメントや加工食品に添加されている葉酸は、最初からモノグルタミン酸型で作られています。この形の葉酸を、化学名でプテロイルモノグルタミン酸といいます。切る工程が要らないぶん、そのまま吸収されていきます。
なお、どちらの形で入った葉酸も、体の中では最後に5-MTHF(5-メチルテトラヒドロ葉酸。体がそのまま使える形の葉酸)に変わって働きます。違うのは、体に入るまでの道のりのほうです。
食べ物の葉酸が使われる割合は、サプリのおよそ50%
厚生労働省の食事摂取基準では、この差を明示しています。食べ物の葉酸が体で利用される割合は、サプリメントの葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)の、およそ50%として扱われています。つまり、サプリメントの葉酸と比べて、半分ほどということです。
これは食品が劣っているという話ではありません。同じ「μg」でも、中身の意味が違う、ということです。「葉酸240μg」と書かれているとき、それが食品の話かサプリメントの話かで、意味そのものが変わります。
葉酸の推奨量は、18歳以上で1日240μg
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、葉酸の推奨量は18歳以上の男女ともに1日240μgとされています。この240μgは、ふだんの食べ物からとる葉酸として決められた量です。
妊婦への付加量は中期・後期で1日+240μg、授乳婦は1日+100μgです。
さらに別枠の指針があります。妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性は、通常の食事に加えて、サプリメントなどから1日400μgの葉酸を摂ることが望まれるとされています。ここで「通常の食事に加えて、サプリメントなどから」とされているのは、上に書いた吸収の違いが理由です。
葉酸は、ゆでると煮汁に出て、熱で一部が壊れる
もう1つ、食品の側の事情があります。葉酸は水に溶け、熱に弱い性質を持ちます。茹でれば煮汁に出ていき、加熱すれば一部が壊れてしまいます。
成分表に載っている数値は、生の状態のものが多くなっています。調理の後に残っている量は、それより少なくなります。食品から狙った量をとることが難しい理由の1つが、ここにあります。
サプリメントのラベルで、葉酸の「形」を見る
もし、手元にサプリメントがあれば、「葉酸」の後ろに書かれている形の名前を確かめてみてください。プテロイルモノグルタミン酸と書いてあれば、モノグルタミン酸型です。これが、国の指針でいう「サプリメントなどからとる葉酸」の形です。
なお、サプリメントなどからとる葉酸には、耐容上限量(とりすぎを避けるための量)も決められています。ビタミンB12が不足した状態で葉酸だけを増やすと、B12不足の発見が遅れると指摘されています。ですので、サプリメントで量を大きく変えるときは、その前に医療機関でお医者さんに相談してください。
自分の葉酸の値は、血液で測れます。葉酸を5-MTHFの形に変える酵素(MTHFR)には生まれつきの型の差があり、その話は MTHFRとは でくわしく書いています。
その酵素の遺伝子の型を、どこでどうやって調べられるのかは、MTHFR検査はどこで受ける? でも説明していますので、ぜひご覧ください。
妊娠を考えるときの量は、妊娠と葉酸にまとめています。
出典(2026年10月確認)
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書|厚生労働省
- 葉酸|「健康食品」の安全性・有効性情報(国立健康・栄養研究所)
- 葉酸の働きと1日の摂取量|健康長寿ネット
- 葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果|e-ヘルスネット(厚生労働省)
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

