健康診断の結果票で、中性脂肪の行に「L」や下向きの矢印が付いていたことはありませんか?よく聞くのは高いときの話ばかりで、低いなら良いのでは、とも思ってしまいますよね。
そこで、今回は中性脂肪が低いと出たときの、結果票の見方についてお伝えしていきます。この記事では、低い側の印がどの線で付いたのかを見分ける方法と、喜んでいいのか気にしたほうがいいのかを考える手がかりを知ることができます。
中性脂肪は、低いほど良いという数字ではない
東京大学保健センターの脂質の説明は、脂質の値が極端に低い場合も注意が必要で、甲状腺機能亢進症や肝臓病、貧血、栄養不良などの問題が隠れている場合もある、と書いています。同じページは、中性脂肪が29 mg/dL以下(人間ドックの判定区分で「要精密検査・治療」に当たる値)でも、極端に低くない限り問題ないと判断されることもある、と添えています。
低ければ低いほど良い、という数字ではありません。何以下が「極端」なのかの数字は、このページにも、日本人間ドック・予防医療学会の判定区分にも載っていません。
低い側の線は、健康な人の幅と、判定の線の2本
| 線 | 中性脂肪の数字 | 何の線か |
|---|---|---|
| 共用基準範囲の下の端(日本臨床検査標準協議会・2022年10月1日版) | 男性40、女性30 mg/dL | 健康な人の95%が入る幅の、下の端 |
| 人間ドックの判定区分(日本人間ドック・予防医療学会・2026年4月1日改定) | 29 mg/dL以下 | 「要精密検査・治療」の区分 |
共用基準範囲は、検査の物差しをそろえる団体が、健康な人の95%が入る幅を出したものです。だから健康な人でも、上下あわせて20人に1人は幅の外に出ます。
男性だと、2本の線がずれます。35 mg/dLなら幅の外で印が付くことがありますが、2026年時点の人間ドックの判定区分では、30〜149は「異常なし」の区分に入ります。女性は幅の下の端が30なので、2本の線がほぼ重なります。
29以下なのに、結果票の判定が「要精密検査」ではないとき
学会の区分表は、この区分は初めて受けたときのよりどころで、年齢やこれまでの検査の経過から判定を変えることも適切だ、と書いています。判定を決めるのは、健診を行った施設です。ですので、29以下でも、結果票の判定が「軽度異常」や「要再検査」の区分になっていることがあります。学会の数字と結果票の判定が食い違っていたら、まずは結果票の判定の欄を読みましょう。
結果票で分かること、1回の値では分からないこと
分かるのは、数字が健康な人の幅の外なのか、判定区分の線(29以下)にも入っているのかと、施設の判定です。どちらも結果票に書いてあります。
一方で、なぜ低いのかは、1回の値だけでは分かりません。そこを調べるのは、医療機関での診察になります。もし、判定が「要精密検査」の区分になっているときは、結果票の案内にしたがって、医療機関でお医者さんに診てもらってください。
中性脂肪の行で、基準範囲と判定の2か所を見る
結果票を出して、中性脂肪の行で2か所を見てみましょう。1つは、数字の横に書いてある基準範囲の下の端がいくつかです。もう1つは、判定の欄に何が付いているかです(A〜Dの記号のことも、「軽度異常」のような言葉のこともあります)。
続けて、同じ結果票のコレステロールの3行(総コレステロール・HDL・LDL)も、低い側に印が無いかを見てみます。東京大学保健センターの説明も、中性脂肪だけでなく「脂質の値」とまとめて書いています。もし、去年の結果票があれば、中性脂肪の数字を横に並べてみましょう。毎年このあたりなのか、今年だけ下がったのかが分かります。
高いほうの線の話と、採血の前に何を食べたかで数字が動く話は、中性脂肪の基準値|150と234、線が2本ある理由でも説明していますので、ぜひご覧ください。
出典(2026年10月確認)
- 脂質|東京大学 保健センター
- 日本における主要な臨床検査項目の共用基準範囲(2022年10月1日版)|日本臨床検査標準協議会(JCCLS)
- 判定区分(2026年4月1日改定)|日本人間ドック・予防医療学会
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

