郵送の遺伝子検査が気になって、申し込みの画面まで進んだものの、そこで閉じてしまったことはありませんか?健康診断のように毎年受け直すものだとしたら、続けられる気がしない。そう思うと、申し込む手が止まってしまいますよね。
そこで、今回は遺伝子検査を受け直す必要があるのかについてお伝えしていきます。
この記事では、一度調べれば足りる検査とそうでない検査の違いと、申し込む前に検査のページで確かめておける2か所を知ることができます。
生まれつきの型を調べる遺伝子検査は、一度で足りる
日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」は、「遺伝子検査」という言葉を3種類に分けています。どれを指しているかで、受け直しが要るかどうかの答えが変わります。
- 病原体核酸検査:外から入ってきたウイルスや細菌の核酸(遺伝子のもとになる物質)を調べる
- 体細胞遺伝子検査:生まれたあとに体の一部で起きた遺伝子の変化(例えば、がん細胞に起きた変化)を調べる。ガイドラインは「病状とともに変化しうる一時的な遺伝子情報」と書いています
- 遺伝学的検査:生まれつき持っている情報を調べる
一度で足りるのは、3つ目です。郵送で受ける体質や病気のなりやすさの遺伝子検査も、生まれつきの情報を調べるので、この3つ目に入ります。ガイドラインでは「原則的に生涯変化しない、その個体が生来的に保有する遺伝学的情報」と書かれています。葉酸を使える形に変える酵素(MTHFR)の遺伝子の型や、お酒の分解に関わる酵素の遺伝子の型は、ここに入ります。
口の中の粘膜をこするだけで、なぜ調べられるのですか?
生まれつきの情報は、体のどの細胞にも同じものが入っているからです。ガイドラインも、末梢血・皮膚線維芽細胞・毛髪・爪・口腔粘膜など、人体を構成するどの細胞を用いても検査できると書いています。綿棒で頬の内側をこするだけで足りるのは、そのためです。血液で調べ直しても、結果は変わりません。
遺伝子の並びは変わらず、変わるのは説明のほう
遺伝子の型とは、この遺伝子の並び(配列)の、人による違いのことです。変わらないのは並びのほうで、その並びをどう読むかは、あとから変わることがあります。ガイドラインは遺伝情報の特性として「あいまい性が内在していること」を挙げ、あいまい性を「結果の病的意義の判断が変わりうること」「医学・医療の進歩とともに臨床的有用性が変わりうること」などと説明しています。
多くの項目をまとめて見る検査では、この変わりうる幅がもっと大きくなります。同じガイドラインは、体質や病気のなりやすさを見る検査について、返ってくるのは確率であること、因果ではなく相関を見ていること、遺伝要因は祖先系集団(祖先をたどったときの、地域や民族の集まり)ごとに少しずつ異なるため、同じ検査でも人によって解釈が変わることを挙げています。だから確率の数字を見るときは、何の集団と比べた確率なのかまで見ることになります。これは、販売ページの参考文献や、解析の対象の欄に書かれていることがあります。
数年後にもう一度検体を送っても、調べられる遺伝子の並びは同じです。変わるとすれば、その配列に付けられた説明のほうです。
申し込む前に、検査のページで見ておける2か所
いま気になっている検査のページを開いて、2か所だけ見てみましょう。これなら今日できます。
1つは、調べているのが生まれつきの遺伝子の型なのか、そのときの体の状態なのかです。もう1つは、返ってくるのが遺伝子の型そのものなのか、型をもとにした確率の評価なのかです。もし型そのものだけなら、何年たっても同じ結果が返ってきます。確率の評価が中心なら、数年後には別の説明が付いているかもしれません。それでも、新しくなるのは説明のほうで、遺伝子の並びを測り直す必要はありません。
確率の評価でよく見る「リスク1.5倍」のような数字をどう読めばよいかは、遺伝子検査の「リスク1.5倍」はどう読む?で、実際に計算しながら説明しています。
MTHFRの遺伝子の型そのものを調べる検査をどこでどう受けられるのかは、MTHFR検査はどこで受ける?でも説明していますので、ぜひご覧ください。
もし、すでに検査を受けたことがあるなら、結果と、もらえていれば生データ(調べた遺伝子の並びの記録)の控えがどこにあるかを確かめておきましょう。配列そのものが手元にあれば、説明が新しくなったときに、同じ結果を読み直せます。
出典(2026年10月確認)
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

