二日酔いしやすい体質とは?|お酒を分解する2つの酵素の型

二日酔いしやすい体質とは? ── お酒を分解する2つの酵素の型 遺伝子検査の読み方

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同じくらい飲んだはずなのに、次の朝、自分だけ頭が重くて起きられない。そんな経験はありませんか?

忘年会や集まりが続く時期になると、「二日酔いがひどいのは、自分の体質のせいなのかな」と気になりますよね。

そこで、今回は二日酔いと、お酒を分解する体質の関係についてお伝えしていきます。

この記事では、二日酔いになりやすい体質と自分の体質の見当のつけ方、そして次に飲む日の量と飲み方の決め方を知ることができます。

二日酔いは、いくつもの要因が重なって起きるとされる

まず、最初にそもそも二日酔いとは何か、というお話をしていきます。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、二日酔いの原因がお酒の飲みすぎであることは、はっきりしていると説明されています。症状は、頭痛、胃腸の不調、眠りの乱れ、気分の落ち込みなど、さまざまです。

一方で、なぜこうした症状が起きるのかは、まだ分かっていない所が多いとされています。e-ヘルスネットでは、体の水分が減ること、血糖が下がること、炎症の反応、眠りや体のリズムの乱れ、お酒が分解される途中でできるアセトアルデヒドという物質、お酒に含まれる不純物など、いくつもの要因が挙げられています。そのうえで、1つの原因ではなく、いくつもの要因が重なって起きる、という説明がいちばん当たっているだろう、とまとめられています。

お酒は、肝臓で2つの段階を経て分解される

お酒に含まれるアルコールは、小腸などから吸収されて血液で全身を巡り、主に肝臓で分解されます。分解は2つの段階に分かれています。

  • 1段目: アルコールが、アセトアルデヒドという物質に変わる
  • 2段目: アセトアルデヒドが、酢酸という物質に変わる

酢酸は、そのあと筋肉や心臓などでさらに分解され、最後は炭酸ガスと水になります。

この2つの段階で、それぞれ別の酵素が働いています。酵素とは、体の中で、ある物質を別の物質に変える働きをするものです。1段目で働くのはアルコール脱水素酵素で、ADH1Bは、この酵素の仲間の1つの名前です。2段目で働くのはアセトアルデヒド脱水素酵素で、ALDH2は、こちらの酵素の仲間の1つの名前です。

アセトアルデヒドは、飲んだあとに顔が赤くなったり、動悸や吐き気がしたりする反応のもとになる物質です。この反応は「フラッシング反応」と呼ばれています。

ALDH2の働きが弱い型は、二日酔いしやすい

2段目で働くALDH2の働きの強さは、人によって異なり、生まれつきの遺伝子の型によるものと言われています。e-ヘルスネットでは、ALDH2の働きには、ふつうの型・弱い型・まったく無い型の3つがあると説明されています。厚生労働省のガイドラインによると、この酵素の働きが弱く、飲むと顔が赤くなる人は、日本では41%程度いると言われています。

e-ヘルスネットでは、ALDH2の働きが弱い型の人は、コップ1杯のビールで顔が赤くなり、比較的少ない飲酒量で二日酔いを起こすと説明されています。

日本の働く人251人を調べた研究(Yokoyama 2005)では、二日酔いになったときの飲んだ量が、ALDH2の働きが弱い型の人では、男女とも、ふつうの型の人より少なかったと報告されています。

ただし、二日酔いのときの血液を調べても、アセトアルデヒドが見つかることはまれだと、e-ヘルスネットでは説明されています。ですので、ALDH2の働きが弱い人は少ない量で二日酔いになりやすいと報告されている一方で、「体にアセトアルデヒドが残っているから二日酔いになる」とまでは言えず、二日酔いの仕組みについては、さらに研究が必要だとされています。

顔が赤くならない人が気をつけたい、ADH1Bの型

顔が赤くならない人にも、気をつけたい体質があります。1段目で働くADH1Bの遺伝子の型です。

e-ヘルスネットによると、日本人の5〜7%は、アルコールの分解が遅いADH1Bの型を持っています。この型の人は、たくさん飲んだ翌日も、アルコールが長く体に残って、お酒のにおいがすることが多いとされています。また、アセトアルデヒドがゆっくり作られるため、顔が赤くなるといった不快な反応が起きにくく、飲む量が多くなりやすい体質でもあります。

なお、20グラムほどのアルコール(ビール500mlほど)を飲む実験では、ADH1Bの型による分解の速さに差は見られなかったとも書かれています。ある程度たくさん飲む習慣がついてから、型の違いが表に出てくるのだろう、と考えられています。

ADH1BとALDH2の違いは、ADH1BとALDH2は何が違う?の記事で詳しくお伝えしています。

汗や水では、お酒は速く抜けない

「汗をかけば、お酒が早く抜ける」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

e-ヘルスネットでは、ほんの少しのアルコールは、息や汗や尿からも出ていくものの、分解のほとんどは肝臓で行われると説明されています。汗をたくさんかいたり、水をたくさん飲んだりしても、アルコールが速く抜けるわけではありません。

一方で、飲み方によって、血液の中のアルコールの濃さは変わります。e-ヘルスネットでは、同じ量のアルコールでも、食事をしながらビールを飲むより、空腹のときに濃いお酒をそのまま飲むほうが、血液の中のアルコールの濃さがかなり高くなると説明されています。

パッチテストと遺伝子検査で分かることの違い

ALDH2の働きが弱いかどうかは、家でできるアルコールパッチテストや、飲んで顔が赤くなるかどうかを思い出すことで、おおよそは分かります。その方法については、アルコールパッチテストのやり方は?の記事でお伝えしています。

しかし、パッチテストで赤くなっても、働きが弱い型なのか、まったく無い型なのかまでは、肌の色だけでは決めにくいもの。顔が赤くならない人が、アルコールの分解が遅いADH1Bの型かどうかも、パッチテストでは分かりません。そこで、今回ご紹介するのが「アルコール感受性遺伝子検査」です。

この検査では、ALDH2とADH1Bの2つの遺伝子の型を調べ、自分がどの型なのかを知ることができます。

申し込むと、綿棒と同意書の入った検査キットが届きます。水で2〜3回うがいをしてから、付属の綿棒で左右のほほの内側をそれぞれ10回ほどこすり、送り返します。飲んだり食べたりしたあとは、30分以上たってから採るよう案内されています。結果は、送り返した綿棒が届いてから約15営業日で、Webのレポートで見られるようになります。

なお、この検査の科学的な根拠や、同意書・レポートの見本は、申し込む前に公式の商品のページで見られます。

お酒を飲む機会があり、分解の1段目と2段目で働く酵素の型を、両方とも一度知っておきたい方は、調べてみてはいかがでしょうか?


アルコール感受性遺伝子検査キット(Webレポート版)(お酒を飲む機会のある人が、ALDH2とADH1Bの遺伝子の型を調べる郵送の検査)


料金: 6,127円(税込・送料無料。2026年10月30日確認)


アルコール感受性遺伝子検査の公式サイトで詳しく見る


この検査は、遺伝的な体質を見るためのもので、病気があるかどうかを診断するものではありません。申し込めるのは原則18歳以上で、未成年(18歳未満)の方が受ける場合は、本人の意思の確認と、親権者の同意が必要です。もちろんですが、20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。

厚生労働省のガイドラインでは、体質的にお酒を受け付けられない人(アルコールを分解する酵素の働きが非常に弱い人など)は、ごく少量の飲酒でも、強い動悸や、急に意識を失うといった反応が起こることがあり危険なため、飲酒を避けることが必要だとされています。また、かかりつけのお医者さんがいる場合は、飲酒について相談することも役に立つとされています。

次に飲む日は、何をどれだけ飲むかを先に決める

e-ヘルスネットの二日酔いの解説にも、「二日酔いになるほど飲まなければよい話」という言葉があります。次に飲む日の前に、厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」にある飲み方を、自分の予定に当てはめてみましょう。

  • 何をどれだけ飲むかを、飲む前に決めておく
  • 飲む前か、飲みながら食事をとる
  • 飲む合間に水か炭酸水を飲む(飲む量のうちのアルコールの分を減らすため)。水などで割って薄める、少しずつ飲む、アルコールの入っていない飲み物を選ぶ
  • 1週間のうちに、飲まない日をつくる

量は、お酒の中のアルコールそのものの重さ(純アルコールの量)で考えます。例えば、ビール500ml(5%)なら、純アルコールは20グラムです。同じガイドラインでは、1回の飲み会で純アルコール60グラム以上を飲むことは、避けるべき飲み方に挙げられています。

飲酒の影響を受けやすい体質の人は、より少ない量にすることが望まれる、ともされています。もし、飲むと顔が赤くなるほうなら、ガイドラインにある「アルコールの入っていない飲み物を選ぶ」ことも、飲む前に決めておきましょう。

純アルコールの量の数え方と、国が示している量は、ALDH2とはの記事にまとめています。また、遺伝子の型を病院で調べるか郵送で調べるかを、手間と料金で比べたい方は、アルコール遺伝子検査はどこで受ける?の記事でも説明していますので、ぜひご覧ください。

出典(2026年10月30日確認)


この記事は、国や学会が公開している資料と、公開されている論文をもとに構成しました。数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

診断や治療をするものではありません。
検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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