ビタミンB12という名前を見かけても、出てくるのはレバーやあさり、さんまといった食べ物の話が多いもの。魚も肉も食べているのに、自分も足りなくなることがあるのか、気になりますよね。
そこで、今回はビタミンB12が足りなくなる理由についてお伝えしていきます。
この記事では、ビタミンB12が体に取り込まれるまでの道筋と、食べた量のほかに足りなくなる理由を知ることができます。
ビタミンB12は、胃で2回組み直してから腸で吸収
ビタミンB12が体に取り込まれるまでの道筋は、国立健康・栄養研究所の資料に書かれています。食品の中のビタミンB12は、たんぱく質とくっついた形で入ってきます。胃に入ると、胃酸とペプシン(胃で出る、たんぱく質を分解する酵素)によって切り離されます。これが1回目です。離れたビタミンB12は、胃の壁の細胞から出る内因子という物質と組みます。これが2回目です。この組になった形で腸を下りていき、回腸(小腸の終わりのほうの部分)で吸収されます。
胃酸も内因子も、どちらも胃から出ます。ですので、胃の側に事情があると、食べた量に関係なく、回腸で吸収されるところまで届かないことが起こります。
不足しやすい4つのうち、食事の話は1つだけ
同じ資料が並べているのは、次のとおりです。
- 厳格な菜食主義者
- 高齢者など、胃酸分泌の低い人
- 胃切除者
- 小腸における吸収不全
食べた量の話は、いちばん上のひとつだけです。あとは、胃酸が出にくい、胃そのものが無い、受け取る側の小腸でうまく吸収されない、の3つで、どれも通り道の話です。
菜食かどうかと、胃を切ったかどうか。この2つは、自分ですぐ答えが出ます。残りは、そうはいきません。「高齢者など」の「など」に何が入るのかは、この資料には書かれていません。「小腸における吸収不全」にも、自分で見分けるための説明は付いていません。ですので、「高齢者など」と「小腸における吸収不全」の2つは、自分だけでは答えを出せません。
ビタミンB12の値は、医療機関で頼んで測る
これは、上の4つに心当たりがあった場合の話です。厚生労働省の情報サイトeJIMには、医療機関で、血液のビタミンB12の値を検査できると書かれています。健康診断の基本の項目には入っていないので、診察のときに「ビタミンB12の値を測ってほしい」と、自分から伝えることになります。
ただし、調べる項目がその1つで終わるとは限りません。ビタミンB12と葉酸は、ホモシステインという別の項目の話の中で、並んで出てきます。ホモシステインは、ビタミンB12と葉酸のどちらが足りないのかを見分けるときにも使われている項目で、ホモシステインとはでも説明していますので、測ると決めたときはぜひご覧ください。
不足しやすい4つを、自分に当ててみる
上の4つを、自分に当ててみてください。胃を切る手術を受けたことがあるか。肉・魚・卵・乳製品をほとんど食べない時期が続いていないか。この2つなら、思い出すだけで今日答えが出ます。
残りの2つは、自分だけでは決められないので、そのままにしておいてかまいません。
4つのどれにも思い当たることがなかった人へ。その場合は、「ビタミンB12の値は、今は調べなくていい」と分かったことになります。調べることが1つ減りました。もし、当てはまるものがあった場合は、次に医療機関にかかるときに、そのことを先にお医者さんに伝えてください。食べている量の話から始めなくて済みます。
ホモシステインの話の中では、葉酸を体の中で使うときに働くMTHFRという酵素の、生まれつきの遺伝子の型も出てきます。もし、その型を一度知っておきたい方は、型は健診では調べられず、郵送の遺伝子検査で調べることになります。調べる方法の違いは、MTHFR検査はどこで受ける?|病院と郵送、選び方の違いで紹介しています(この先の記事には広告があります)。なお、遺伝子の型が分かっても、葉酸をとる量の目安は変わりません。
出典(2026年10月確認)
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

