フェリチンとは|基準値と、ヘモグロビンが正常でも減る貯蔵鉄

フェリチンとは ── 基準値と、ヘモグロビンが正常でも減る貯蔵鉄 検査値の読み方

健康診断の結果で、ヘモグロビンは基準の範囲内。それでも「本当に鉄は足りているのかな」と気になることはありませんか?

範囲内なら安心したいところですが、調べるとフェリチンという別の名前が出てきて、かえって迷ってしまいますよね。

そこで、今回はフェリチンという検査の項目についてお伝えしていきます。

この記事では、フェリチンが何を見ている数字なのか、そして自分の結果票で何を確かめればよいのかを知ることができます。

鉄は、ヘモグロビンより先に蓄えから減る

体の中の鉄は、大きく2つに分かれて存在します。

ひとつは、いま使っている鉄です。赤血球のヘモグロビンに組み込まれて、酸素を運んでいる分です。ヘモグロビンの値は、こちらを見ています。

もうひとつは、蓄えてある鉄です。肝臓などにしまってあり、必要になったときに取り出されます。これを貯蔵鉄と呼びます。貯蔵鉄の量を反映するのが「フェリチン」という項目です。

フェリチンは、もともと鉄を包んでためておく、たんぱく質の名前です。肝臓などで鉄をためる役目をしていて、そのごく一部が血液の中にも出てきます。血液検査で測るのは、この血液の中のフェリチンです。体にためてある鉄の量とよく一緒に動くので、蓄えの目安として使われています。

体は、いま使う分を優先します。ですので、鉄が足りなくなると蓄えのほうから先に減っていき、蓄えが尽きてから、ようやく使っている分が減り始めます。減り方には順番があります。

  • 蓄えが減り始める
  • 蓄えが尽きる
  • ヘモグロビンが下がる

ヘモグロビンが下がるのは、最後の段階です。だから、ヘモグロビンが範囲内でも、その手前の段階にいることはあり得ます。

フェリチンの基準値は、およそ25〜250ng/mL

日本鉄バイオサイエンス学会の診療指針(2024年版)は、血清フェリチンの基準値(正常な範囲)を、およそ25〜250ng/mLとしています。この範囲は男女で1つですが、思春期から中年までは、男性のほうが女性より高めに出ます。そのうえで、12ng/mL未満を、鉄が足りない状態を見分ける基準にしています。

女子大学生を調べた国内の研究では、12〜25ng/mL未満を「鉄の蓄えが減っている状態」、12ng/mL未満を「蓄えがほぼ尽きた状態」として分けています。

どれくらいの人が当てはまるのかについても、報告があります。2009年度の国民健康・栄養調査をもとにした集計では、フェリチンが15ng/mL未満にあたる人は、日本人の成人女性のおよそ23%でした。閉経前の女性は月経で定期的に鉄を失うため、鉄が不足しやすいことも知られています。

炎症があると、フェリチンは高めに出る

体のどこかに炎症があると、フェリチンは上がります。感染症の最中、慢性の炎症がある状態、肝臓に障害があるときなどです。

そのため、フェリチンの数字が高めに出ていても、それだけで「蓄えは十分」とは言い切れません。炎症の様子を見る項目や、ほかの鉄に関わる項目と合わせて見る必要があります。フェリチンは、1つの数字だけでは判断できない項目だと覚えておきましょう。

結果票にフェリチンの行があるかを確かめる

蓄えを見るのはフェリチンですが、この項目は、健康診断の基本の項目にはふつう入っていません。まずは、自分の結果票にフェリチンの行があるかどうかを確かめてみてください。もし行が無ければ、蓄えのほうはまだ一度も測っていない、ということになります。

フェリチンの行が無くても、TIBC(総鉄結合能)が載っていれば手がかりになります。TIBCは、鉄が足りないと上がりやすい項目です。TIBCの読み方は、TIBCとUIBCの違いをわかりやすくで説明しています。

フェリチンを測りたいときは、医療機関で追加の検査を頼む方法と、自宅で採血して郵送する検査を使う方法があります。どちらの場合も、出た数字を手元に置いて相談すると、話が早く進みます。なお、鉄は足りなくても多すぎても体に負担がかかります。自分の判断で鉄の量を増やすのではなく、まず測って、その数字を持ってお医者さんに相談してください。

病院でフェリチンを追加で頼めるか迷っている方へ。頼むこと自体はでき、健康保険が使えるかどうかは、医師が診療上必要と認めるかで決まります。詳しい分かれ目は、健康診断にない血液検査は病院で頼める?でも説明していますので、ぜひご覧ください。

鉄が足りないと、赤血球の大きさを表すMCVという項目が動くこともあります。MCVの読み方は、MCVとはにまとめています。

食べた鉄がどれだけ体に入るのか、吸収を下げる食べ合わせも含めて、鉄の吸収率にまとめています。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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