HbA1cとは|過去1〜2か月の平均で、前日の節制が効かない理由

HbA1cとは ── 過去1〜2か月の平均で、前日の節制が効かない理由 検査値の読み方

健康診断の前日だけ、甘いものを控えたことはありませんか?少しでも良い数字を出したいと思うのは、自然なことですよね。

そこで、今回は健康診断の「HbA1c」についてお伝えしていきます。この記事では、HbA1cがどれくらいの期間の血糖を映している数字なのかと、空腹時血糖とどう並べて見ればよいのかを知ることができます。

HbA1cは、赤血球の寿命で1〜2か月の平均になる

まず、HbA1cの「Hb」は、赤血球の中にあるヘモグロビンというたんぱく質のことです。HbA1cは、このヘモグロビンに血液中のブドウ糖がくっついたものの割合を表しています。それが1〜2か月の平均になる理由は、赤血球の寿命にあります。

血液の中にブドウ糖が多い状態が続くと、ブドウ糖は赤血球の中のヘモグロビンにくっつきます。くっついた直後のつながりはまだ弱く、離れることもあります。しかし、時間がたつと糖とヘモグロビンのつながり方が変わって離れにくくなり、その赤血球が生きているあいだ残ります。

HbA1cとして測っているのは、この離れにくくなったものです。なお、体の中のたんぱく質と糖のつながりには、さらに長い時間をかけて、終末糖化産物(AGE)と呼ばれる元に戻らない物質に変わるものもあります。これはHbA1cとは別の物質です。

赤血球の寿命は、およそ120日です。そのため体の中には、生まれたばかりの赤血球から寿命間近のものまでが混ざっています。その全体で「糖がくっついたヘモグロビンの割合」を測ると、直近の数日ではなく、もっと長い期間の平均が出てきます。

このため、HbA1cは過去1〜2か月の血糖の状態を映す、と説明されています。厚生労働省のe-ヘルスネットも、糖尿病情報センター(国立国際医療研究センター)も、同じ説明をしています。

HbA1cの数字の目安

2026年時点の日本糖尿病学会の診断基準では、HbA1c 6.5%以上が「糖尿病型」とされています。

ただし、「糖尿病型」に入ったことだけで、糖尿病と診断が決まるわけではありません。血糖値との組み合わせや、日を変えた再検査で総合的に判断されます。

HbA1cは、前日や当日の食事では動かない

HbA1cは1〜2か月の平均なので、前日や当日の食事では動きません。逆に言えば、日々のばらつきに振り回されない項目でもあります。

そして、数字が下がるときにも、同じように時間がかかります。生活を変えても、HbA1cに表れるまでには1〜2か月かかります。ですので、変えた翌週に測っても、その変化はまだほとんど映っていません。

空腹時血糖とHbA1cは、映す時間が違う

同じ結果票の上に、映している時間の長さが違う数字が並んでいます。

  • 空腹時血糖 — 採血したその瞬間
  • HbA1c — 過去1〜2か月の平均

例えば、空腹時血糖が高くてHbA1cが低めなら、最近になって上がってきたのかもしれません。逆に、空腹時血糖が落ち着いていてHbA1cが高めなら、しばらく高い状態が続いていたのかもしれません。2つを並べると、数字がどちらへ動いてきたのかが見えてきます。

HbA1cが当てにならない場合もある

HbA1cは赤血球を使って測るので、赤血球の状態そのものがおかしいと、値が当てになりません。

貧血がある、赤血球の寿命が短くなる病気がある、輸血を受けた、といった場合です。この場合は低めに出たり高めに出たりして、実際の血糖の状態と合わなくなります。

これは、自分では見分けられません。もし、貧血を指摘されたなど、血液の項目に気になるところがあるときは、HbA1cの読み方も、お医者さんに確かめてもらってください。

HbA1cと空腹時血糖を、並べて見る

もし、生活を変えたあとに測り直すときは、1〜2か月より短い間隔で測っても、新しく分かることはほとんど増えません。

結果票を見るときは、HbA1cと空腹時血糖を並べてみましょう。片方は採血したときの値、片方は1〜2か月の平均です。2つの数字の示すことが食い違っているときは、その食い違い自体が大事な手がかりになります。

「糖尿病型」の線と、結果票の「基準範囲」は別の種類の数字です。その違いは 健康診断の基準範囲とは という記事で説明していますので、こちらもぜひご覧ください。

採血の前の食事で動く項目は、中性脂肪の基準値にまとめています。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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