eGFRとは|筋肉量や筋トレで低く出ることがある理由

eGFRとは ── 筋肉量や筋トレで低く出ることがある理由 検査値の読み方

健康診断の結果票に、eGFRという項目があります。「60を下回ると腎臓の働きが落ちている」という説明を読んで、自分の数字が気になっている方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回はeGFRという数字についてお伝えしていきます。この記事では、eGFRが何から計算された数字なのか、筋肉の量でどう動くのか、去年の結果とどう並べればよいのかを知ることができます。

eGFRは、クレアチニンと年齢・性別からの計算値

結果票では、eGFRの近くに「クレアチニン」という項目が並んでいるはずです。実際に血液で測っているのは、こちらのクレアチニンだけです。

クレアチニンは筋肉の中で使われたあとに出る老廃物で、腎臓でこしとられて尿へ抜けます。腎臓の働きが落ちると、血液の中に残りやすくなります。ですので、腎臓の働きを見る目安として使われてきました。

eGFRは、そのクレアチニンの値と年齢・性別を、日本人向けの推算式に入れて出した数字です。日本腎臓学会は2023年版の診療ガイドラインで、この推算値をJSN eGFRcrと呼ぶことを決めています。単位のmL/分/1.73m²は、体表面積を1.73平方メートルに揃えたときの、1分あたりのろ過量を指します。

eGFRの欄に印刷されているのは、測定の結果ではなく計算の結果です。

筋トレをしているとeGFRは低く出ますか?

筋肉の量が多い人では、低めに出ることがあります。

厚生労働省の研究事業(腎疾患政策研究事業)が公開している腎機能測定ツールに、筋肉量の影響が両方向で書かれています。サルコペニアや筋疾患、四肢欠損など筋肉量が減っている場合は、eGFRcrが高めに推算されます。逆に、アスリートや運動習慣のある高齢者など筋肉量が多い場合は、低めに推算されます。

方向が逆になるところが、この項目の読みにくさです。

  • 筋肉が多い人——クレアチニンの出る量が多く、腎臓の働きは実際より低めに見える
  • 筋肉が少ない人——出る量が少なく、腎臓の働きは実際より高めに見える

気づかれにくいのは後者のほうです。数字が良く見えるので、健診で引っかかることもありません。

しかし、自分の数字がどちらにずれているかを、結果票だけで決めることはできません。「運動しているから低く出ているのだろう」と自分で決めてしまうのが、この項目でいちばん気をつけたいところです。ずれる向きが分かっても、どれくらいずれているかまでは分からないからです。

腎臓のろ過量そのものを測る道もある

ろ過量を実際に測る方法はあります。イヌリンという多糖類を使ったイヌリンクリアランスが、GFR測定の標準の方法とされています。ただし、点滴をしながら決まった時間の尿をためて調べるため、健診でできる検査ではありません。

もう1つ、シスタチンCという物質から推算する道があります。こちらは筋肉量の影響を受けにくい物質です。同じ腎機能測定ツールは、クレアチニンからの推算の正確さに懸念があるときは、シスタチンCからの推算(eGFRcys)を参考にして総合的に判断する、という扱いを示しています。対象は18歳以上です。

シスタチンCは健診の基本項目に入っていません。測るときは、医療機関でお医者さんに相談する形になります。

eGFRは、1回の数字ではなく続くかで見る

慢性腎臓病(CKD)の基準では、GFRが60 mL/分/1.73m²を下回る状態が3か月を超えて続くこと、が条件のひとつに置かれています。1回の数字ではなく、続いているかどうかで見る決まりです。

1回の採血には、その日の事情も混ざります。例えば、前日の運動や、飲んだ水の量、食べた肉の量です。クレアチニンの値は、そのどれによっても動きます。

去年の結果票と、体つきを並べて置く

やることは2つあります。

1つは、去年のeGFRとクレアチニンを、今年の数字の隣に並べることです。1つの値が高いか低いかより、動いたかどうかのほうが読み取りやすくなります。もし下がり続けているなら、それは診察のときに持って行く大事な材料になります。

もう1つは、自分の体つきのことを、一言添えられるようにしておくことです。例えば、運動を続けている、体重が落ちた、といったことです。診察で数字を見せるときに、その一言があると、お医者さんが数字を読むときの手がかりになります。

血液の値がそのまま答えにならない項目は、ほかにもあります。マグネシウムの血液検査でも説明していますので、ぜひご覧ください。なお、数字が下がり続けているときや、尿やむくみに変化があるときは、並べて見るより先に、医療機関でお医者さんに診てもらってください。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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