マグネシウムの血液検査|基準値の中でも足りているとは限らない理由

マグネシウムの血液検査 ── 基準値の中でも足りているとは限らない理由 栄養素の読み方

マグネシウムが足りているかどうか、血液検査で分かるのか気になったことはありませんか?健診の結果票を見直しても、マグネシウムの行が見つからないことも多いもの。

そこで、今回はマグネシウムの血液検査についてお伝えしていきます。この記事では、血液の値が体のどこを見ている数字なのかと、足りているかを考えるときの手がかりを知ることができます。

体のマグネシウムの99%は、血液の外にある

マグネシウムは、骨や歯に多く含まれるほか、300種類以上の酵素の働きを助けているミネラルです。血液検査で測るのは、血液の中でも血清(血液から、赤血球などの細胞の成分を取り除いた液体の部分)の中にあるマグネシウムです。

国立長寿医療研究センターの資料は、マグネシウムの約50〜60%が骨にあり、残りの40%が筋肉や脳、神経にあって、血中には1%未満しか存在しないと説明しています。

2026年のCurrent Nutrition Reportsの総説は、もう少し細かく書いています。体内のマグネシウムの99%は細胞の中にあり、その内訳は骨が60%、骨格筋が29%、心臓や肝臓などの軟組織が10%。細胞の外にあるのは残りの1%です。

血液は細胞の外の側にあるので、血液検査で見ているのは、この1%の側になります。

基準値の中でも、細胞の中では減っていることがある

血清マグネシウムの基準値は、2026年の時点で1.8〜2.4mg/dLです。国立長寿医療研究センターも、国立健康・栄養研究所の解説も、同じ幅を示しています。

幅が狭いのには理由があります。血中の濃度は、腎臓が尿へ出す量を加減し、骨などの貯蔵を出し入れすることで、素早く一定に保たれる仕組みになっているからです。もし足りない側に傾くと、体は骨から出して血中の濃度を保ちます。ですので、血液の数字は、体の中の蓄えより遅れて動くことになります。

先の総説は、血清マグネシウムは体内の総量のうちごく一部を表すにすぎず、細胞の中の減りを見つけられないことがある、と述べています。血清の値は基準の中のままでも、細胞の中では減っていることがある、ということです。

そのため、「基準内だから足りている」とは言い切れません。逆に、はっきり低い値が出たときは、血液の値まで下がるくらい、体の蓄えが減っている、ということになります。

そもそも「基準の幅に入っている」が何を意味するかは、健康診断の基準範囲とはをご覧ください。

健診の紙には、マグネシウムの行がそもそも無い

厚生労働省のe-ヘルスネットが載せている特定健康診査(40〜74歳の人が受ける、いわゆるメタボ健診)の項目を見ると、基本的な項目は身体計測、血圧、脂質、血糖、肝機能、検尿などです。医師が必要と認めたときの詳細な項目は、心電図・眼底・貧血検査・血清クレアチニンです。

この一覧に、マグネシウムはありません。

測る手段が無いわけではありません。国立長寿医療研究センターは2018年7月から血清マグネシウムを院内で測れるようになったと報告していて、保険点数も、2026年の時点で実施料11点と示されています。医療機関では、ふつうに測ることのできる項目です。

ただし、測って分かるのは、体の1%の数字です。もし低い値が出たら、それが何を意味するか、どうするかは、お医者さんと相談しながら決めていくことになります。

足りているかは、食事の側からも考えられる

では、足りているかどうかは、何から考えればよいのでしょうか。手がかりのひとつは、食事から入る量のほうです。日本人の食事摂取基準には年齢と性別ごとの推奨量が置かれていて、国立健康・栄養研究所はそれを解説しています。同時に、通常の食品以外(サプリメントや医薬品)からとる量には、成人で1日350mgという上限が、推奨量とは別に示されています。この上限に、ふつうの食品からとる分は入りません。とりすぎたときに起こるのは下痢で、食品からとる分では起きにくいものです。

マグネシウムは、穀類、豆類、種実類、野菜類、藻類などの植物性の食品に広く含まれています。例えば、2週間ほど、食べたものを記録してみましょう。ごはんやパンの種類、豆腐や納豆、ナッツ、野菜、海藻がどのくらい食卓に出ているかを見ると、マグネシウムを含む食品をふだんどのくらい食べているかの見当がつきます。

もし、体調で気になっていることがあって、そこからマグネシウムのことを調べ始めたのなら、先に医療機関でお医者さんに診てもらってください。血液の値を1つ増やすより、そのほうが近道になります。

基準の中でも読み方が分かれる例は、血清亜鉛の基準値でも説明していますので、ぜひご覧ください。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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