去年のビタミンDの結果と、今年の結果。数字が変わっていると、並べて比べていいものかどうか迷いますよね。
そこで、今回はビタミンDの検査をいつ測るかについてお伝えしていきます。
この記事では、ビタミンDの値が季節で動く理由と、去年と今年の結果を比べるときの見方を知ることができます。
ビタミンDが季節で動くのは、日光でも作られるから
ビタミンDは、食べ物のほかに、皮膚が紫外線を受けることでも作られます。作られる量は、その土地に届く紫外線の量で決まります。ですので、住んでいる場所の緯度と季節で、作られる量が変わります。
国立環境研究所が2013年に出した推定は、その差を、日光に当たる時間で示しています。晴天の日に、顔と両手の甲にあたる600平方センチメートルを日光に当てて、5.5マイクログラムのビタミンDが作られるまでの時間です。5.5マイクログラムは、当時の食事摂取基準(2010年版)が成人の1日の目安として示していた量で、ここでは地点と季節を比べるための共通の目安として使われています。下の表は、日光に当たる時間を勧めるものではなく、地点と季節の差を比べるための数字です。
| 地点 | 7月・正午 | 12月・正午 |
|---|---|---|
| 札幌 | 4.6分 | 76.4分 |
| つくば | 3.5分 | 22.4分 |
| 那覇 | 2.9分 | 7.5分 |
札幌の12月は、同じ場所の7月の16倍以上かかる計算になります。しかもこれは雲のない晴天を仮定した数字で、研究所は、曇りや雨の日があるぶん実際にはもっと長い日光浴が要ると書き添えています。
ビタミンDは、夏に測れば高く出るのですか?
おおむねその方向ですが、いちばん高い季節が夏とは限りません。
徳島大学のグループが、出産した健康な日本人女性256人を出産した季節で4つに分け、妊娠後期に採った血液を調べた報告(2019年)では、母体の血清25(OH)D濃度(血液中のビタミンDの量を見るときに測る値)の平均は、春18.0、夏17.1、秋21.6、冬16.0 ng/mL でした。高かったのは秋で、低かったのは冬。夏は春とほとんど変わりません。
紫外線がいちばん強い月と、血液の数字がいちばん高い季節は、そろっていませんでした。この報告は妊娠後期の女性を対象にしたものなので、そのまま誰にでも当てはまる数字ではありませんが、季節で動くという事実と、動く向きの見当は付きます。
ビタミンDの判定の呼び名は、線をまたぐと変わる
日本内分泌学会と日本骨代謝学会の判定指針(2017年版)は、25(OH)Dの濃度を、欠乏(20 ng/mL未満)・不足(20〜29.9 ng/mL)・充足(30 ng/mL以上)に分けています。
さきほどの報告では、秋と冬の平均の差は5.6 ng/mLでした。これは、20という線をまたぐには十分な幅です。平均で見ると、冬に測れば「欠乏」、秋に測れば「不足」となるように、測った月によって呼び名が入れ替わることがあります。
数字が動くこと自体は、おかしなことではありません。動く項目だと知らないまま一度きりの結果を体質のように受け取ることが、読み違いのもとになります。
採血日を、数字の隣に残しておく
やることは3つです。
- 採血日を確かめる。結果票のどこかに入っています。月まで分かれば足ります
- 同じ季節どうしで並べる。去年の結果票を出して、近い月の結果と比べます
- 次に測るなら、前回と近い時期に。間隔をそろえるほど、差の意味がはっきりします
住んでいる土地でも条件は変わります。国立環境研究所は、全国11地点の紫外線から、その日にどれだけビタミンDが作られるかを日ごとに出す情報サイトを公開しています。自分の暮らしている場所の冬がどのくらいなのかは、そこで見られます。
もし、骨のことや体調のことで受診していて、その流れで測っているのなら、季節の話より先に、担当のお医者さんに結果の見方を聞いてみてください。この検査がそもそも何を測っているのか、判定の線がどこにあるのかは、ビタミンDの血中濃度でも説明していますので、ぜひご覧ください。
出典(2026年10月確認)
- 体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定|国立環境研究所(2013年8月29日発表)
- ビタミンD生成・紅斑紫外線量情報|国立環境研究所 地球環境研究センター
- Seasonal variation of serum 25(OH) vitamin D levels in maternal and umbilical cord blood in Japanese women|The Journal of Medical Investigation 66巻1.2号(2019)
- ビタミンD不足・欠乏の判定指針(2017年版)|日本内分泌学会・日本骨代謝学会
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きと表の整理にはAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

