【PR】この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。
遺伝子検査のキットが気になっていても、「受けたら、どこまで分かってしまうんだろう」と手が止まることはありませんか?
自分の体のことを知れるのは楽しみな反面、思ってもいなかった病気のことまで分かったらどうしよう、と迷ってしまうものですよね。
そこで、今回は遺伝子検査キットで分かることと分からないことについてお伝えしていきます。
この記事では、キットが遺伝子の何を読んでいるのかと、病院で行う遺伝の検査とどこが違うのかを知ることができます。
遺伝子検査キットは、DNAの決まった数千か所を読む
まず、最初にそもそも遺伝子って何?というお話をしていきます。
体の細胞の中には、DNAという物質があります。DNAは、A・T・G・Cの4種類の部品が長くつながったもので、この並び方が、体を作ったり動かしたりするための情報になっています。この並びのうち、体を作るための情報がひとまとまりに書かれている部分を、遺伝子と呼びます。
この並びは、人によって少しずつ違います。人による違いの中でいちばん多いのが、ある1か所の部品が1つだけ別の物になっている違いです。これを一塩基多型(いちえんきたけい)、英語の頭文字でSNP(スニップ)と呼びます。塩基というのは、さきほどの4種類の部品のことです。
米国の国立医学図書館の案内では、SNPは、DNAの部品およそ1,000個に1か所の割合であり、1人のDNAには400万〜500万か所あるとされています。そして、そのほとんどは、健康や体の育ち方に影響しないと説明されています。
このSNPのある1か所ごとに、その人がどの部品を持っているかを、ここでは「遺伝子の型」と呼びます。英国の国民保健サービスの遺伝医療の教育の資料では、消費者向けの遺伝子検査の多くは、400万〜500万か所のすべてではなく、DNAの中の決まった数千か所で、その人がどの部品を持っているかを確かめるしくみだと説明されています。つまり、遺伝子検査キットが読んでいるのは、この遺伝子の型です。
遺伝子の型から分かるのは、体質などの傾向
研究者は、たくさんの人の遺伝子の型と、体質や病気との関わりを、統計で調べてきました。ある遺伝子の型を持つ人に、ある体質や病気がどれくらい多いかを比べる調べ方です。遺伝子検査キットは、こうして報告されてきた研究をもとに、自分の遺伝子の型が、その体質や病気が多く見られる側に当たるかどうかを教えてくれます。
米国の国立医学図書館の案内では、消費者向けの遺伝子検査で分かることとして、髪質や味の好みのような体質と、ある病気になりやすいかどうかの見通しが挙げられています。
ただし、病気のなりやすさについては、注意して読む点があります。日本医学会のガイドライン(2022年改定)では、いくつもの遺伝子と暮らしの影響が重なって起こる病気(多因子疾患)について、そのなりやすさを調べる遺伝子の検査の特徴として、次のような点を挙げています。
- 得られる結果は、病気になる確率である
- 遺伝子の型から、実際に病気になるかを当てる力は、高いとは限らない
- 体質や病気には、遺伝のほかに暮らしの影響も関わることがある
- 多くは原因と結果ではなく、一緒に見られやすいという関わりを見ている
ですので、遺伝子検査キットの「なりやすい」は、「この病気になる」という意味ではありません。同じ遺伝子の型の人が集まったときに、どれくらい多く見られるかという確率の話になります。「リスク1.5倍」のような書き方の読み方は、遺伝子検査の「リスク1.5倍」はどう読む?で詳しく説明しています。
病院の遺伝の検査とキット、目的の違い
遺伝の検査は、病院でも行われています。しかし、病院で行う遺伝の検査には、病気の診断のように、キットとは目的が異なる物があります。
病気の中には、1つの遺伝子の変化が原因で起こるもの(単一遺伝子疾患)があります。ここでいう変化は、これまでお伝えした遺伝子の型とは別の、病気の原因になる変化のことです。日本医学会のガイドラインでは、医療の場で行う遺伝の検査として、すでに症状がある人の診断のための検査や、こうした病気について、まだ症状が出ていない人がその変化を持っているかを調べる検査、生まれる前の赤ちゃんを調べる検査などが挙げられています。
こうした検査の結果は、本人だけでなく、血のつながった家族にも関わることがあります。そのため、日本人間ドック学会の資料では、病院で遺伝の検査を受けるにあたって、遺伝カウンセリングを受けることが必要だと説明されています。遺伝カウンセリングとは、検査について十分に理解して納得したうえで、本人が自分で決められるように支える相談のことです。これを担うのは、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーという専門家です。
一方、遺伝子検査キットは、医療機関を通さずに、自分で申し込んで結果を受け取る検査です。米国の国立医学図書館の案内でも、キットの結果を病気の診断や治療の判断に使うには、ふつうは医療機関でもう一度検査を受ける必要があるとされています。
遺伝子検査キットで分からないこと
遺伝子検査キットの結果だけでは、次のことは分かりません。
- いまの体の状態(血液の値や、いま病気があるかどうか)
- 家族に多い遺伝の病気について、自分も同じ遺伝子の変化を持っているかどうか
まず、遺伝子の型は生まれつきのもので、基本的に一生変わりません。そのため、いまの体調や血液の値といった体の状態は、結果に出ません。
また、もし、家族に遺伝の病気がある方で、自分も同じ遺伝子の変化を持っているかが気になるときは、キットではなく、遺伝カウンセリングを受けられる医療機関で相談してください。遺伝カウンセリングを受けながら、自分に要る検査かどうかを専門家と一緒に考えることができます。
遺伝子検査キットで分かることと分からないことは、おおよそ分かったのではないでしょうか。しかし、自分の知りたいことがキットで分かる種類なのかは、実際の検査の中身を見てみないと決めにくいもの。そこで、今回ご紹介する「chatGENE」を例に、何が分かる検査なのかを見ていきましょう。
chatGENEは、自宅で唾液を採って送る遺伝子検査で、食・肌・睡眠などの体質や特性を含む400項目について、自分の遺伝的な傾向を知ることができます。調べる項目は公式の一覧で見られるので、知りたいことが入っているかを申し込む前に確かめられます。
キットが届いたら、会員登録・キットの登録・同意書の確認を済ませてから、唾液を採って送ります。結果は、送った唾液が届いてから2〜3週間ほどで出ます。なお、検査のデータは、遺伝の情報を扱う事業に向けた個人情報保護のガイドラインを基準に、厳重に保管するとされています。
公式のよくある質問では、返す情報は「特定の病気の疾患リスクや、体質の傾向」とされ、いまの体調や病気を診断する検査ではなく、医療の代わりになるものでもないと書かれています。また、遺伝子疾患(遺伝病)や出生前診断を調べる検査ではないことも、はっきり書かれています。ですので、この記事でお伝えした、確率としての「なりやすさ」と体質の傾向を知る検査です。
食べ物や眠りのことなど、自分の体質が生まれつきどんな傾向なのかが気になっている方は、項目の一覧を見たうえで試してみてはいかがでしょうか?
受けられるのは18歳以上の方です。妊娠中は、おなかの赤ちゃんの遺伝子が母親の唾液などに混ざり、結果に影響するおそれがあるため、受けることはすすめられていません。もし、いまの体調が気になって検査を考えているときは、先にかかりつけのお医者さんに相談してください。
申し込む前に、知りたいことを1つ書き出す
キットを選ぶ前に、まず自分が知りたいことを1つ書き出してみましょう。
そのうえで、それが次のどれに当たるかを分けてみます。
- 生まれつきの体質の傾向(食べ物・肌・眠りなど)→遺伝子検査キットが適切です
- いまの体の状態(血液の値など)→血液の検査が適切です
- 家族に多い遺伝の病気のこと→遺伝カウンセリングを受けられる医療機関で相談することが適切です
例えば、「自分の髪質は、生まれつきどんな傾向なのか」が知りたいなら、体質の傾向の側に入ります。一方で、「健診で出た値が気になる」なら、いまの体の状態を調べる必要があります。
体質の傾向を知りたい場合は、知りたい内容が検査の項目の一覧にあるかを探します。とはいえ、項目の数が多くても知りたい内容が入っているとは限りません。検査項目一覧の探し方は、遺伝子検査は項目数で選んでいい?でも説明していますので、ぜひご覧ください。
検査の具体的な進め方である唾液の採り方や、送ってから結果までの流れは、遺伝子検査キットのやり方は?の記事で順にお伝えしていますので、こちらもあわせてご覧ください。
出典(2026年10月確認)
- chatGENE(KEAN Health 公式の商品ページ)
- chatGENE よくある質問(KEAN Health 公式)
- Single Nucleotide Polymorphisms (SNPs)|米国国立ヒトゲノム研究所(NHGRI)用語集
- What are single nucleotide polymorphisms (SNPs)?|MedlinePlus(米国国立医学図書館)
- What is direct-to-consumer genetic testing?|MedlinePlus(米国国立医学図書館)
- 医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン(日本医学会・2022年3月改定)
- 遺伝学的教育に関するQ&A集(日本人間ドック学会・2018年12月)
- Direct-to-consumer testing: a clinician’s guide(英国 Health Education England の遺伝医療教育プログラム・2020年1月)
この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。
検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

