肉や魚のおかずを残す日が続くと、「たんぱく質はちゃんととれているのかな」と気になりませんか?
体の小さな子どもに、たんぱく質がどれくらい要るのかは、大人の量からはなかなか想像しにくいものですよね。
そこで、今回は子どものたんぱく質の必要量についてお伝えしていきます。
この記事では、国が示している子どものたんぱく質の値と、体の大きさのわりに多く要るわけ、そしてふだんの食事のどこからたんぱく質が入っているかを知ることができます。
体重1kgあたりでは、3〜5歳のたんぱく質は大人の1.6倍以上
国の値を体重1kgあたりに直すと、3〜5歳の子どもには、30〜49歳の大人の1.6倍以上のたんぱく質が見込まれています。1日の量そのものは、大人より少ない値です。
国は、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で、年齢ごとに1日のたんぱく質の値を示しています。
推定平均必要量は、その年齢の人の半分が、必要な量を満たすと見込まれる量です。推奨量は、その年齢のほとんどの人(97〜98%)が足りている量として決められています。
| 年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 |
|---|---|---|
| 1〜2歳 | 15g | 20g |
| 3〜5歳 | 20g | 25g |
| 6〜7歳 | 25g | 30g |
| 8〜9歳 | 30g | 40g |
| 10〜11歳 | 男40g・女40g | 男45g・女50g |
| 30〜49歳 | 男50g・女40g | 男65g・女50g |
(日本人の食事摂取基準(2025年版)の1日あたりの値。11歳までは、10〜11歳の推奨量のほかは男女とも同じ値です)
1日の量だけを見ると、子どもの値は大人よりずっと少なく見えます。しかし、体の大きさで割ってみると、見え方が変わります。
同じ資料では、計算に使う年齢ごとの標準の体重(参照体重)が示されています。3〜5歳は男の子16.5kg、女の子16.1kg、30〜49歳は男性70.0kg、女性53.3kgです。推奨量をこの体重で割ると、体重1kgあたりのたんぱく質は、次のようになります。
- 3〜5歳: 男の子 約1.52g、女の子 約1.55g
- 30〜49歳: 男性 約0.93g、女性 約0.94g
体重1kgあたりで見ると、3〜5歳の男の子は大人の男性の約1.6倍、女の子は大人の女性の約1.7倍のたんぱく質が見込まれていることになります。
たんぱく質は、体をつくって作り替える材料
たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、髪など、体をつくる主な材料です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、たんぱく質は体をつくるだけでなく、酵素やホルモンとして体の働きを調整し、抗体として体を守る働きにも関わると説明されています。酵素とは、体の中で物を分解したり、別の物に作り替えたりする働きをするたんぱく質のことです。
食事でとったたんぱく質は、体の中でアミノ酸という小さな単位に分けられてから吸収され、筋肉や酵素などを作る材料になります。
そして、体の中では、たんぱく質を作ることと分解することが、いつもくり返されています。分解されてできたアミノ酸は、また新しいたんぱく質の材料に使われますが、その一部は尿として体の外に出ていきます。そのため、出ていった分を、毎日の食事から補っていく必要があるのです。
育つ分と、体に使われる割合が、子どもに多く要るわけ
子どものたんぱく質が体重のわりに多く見込まれているのは、体が育つ分が上乗せされていることと、食事のたんぱく質が体に使われる割合を低めに見ていることの、2つのためです。
食事摂取基準では、まず、体のたんぱく質を保つために要る量(維持必要量)を考えます。この量は、体重1kgあたり1日0.66gとされていて、1歳以上は子どもも大人も同じ値を使っています。体を保つために体の中で使われる量だけを見れば、体重あたりで子どもと大人は同じ値なのです。
1つ目のわけは、体が育つ分です。子どもは、体が大きくなるぶん、新しくできる体の組織にたんぱく質がたくわえられていきます。食事摂取基準では、子どもには、この育つ分(新生組織蓄積量)を上乗せして計算しています。大人でこの分が上乗せされるのは、妊娠中の人だけです。
2つ目のわけは、食事のたんぱく質が体に使われる割合(利用効率)です。食事摂取基準では、この割合を、18歳以上は90%、1〜9歳は70%として計算しています。1〜9歳の値は、1歳ごろの子どもを調べた結果をもとにしています。使われる割合を低めに見ているぶん、体を保つための量でも、食事からの値は多めに計算されます。
国の値は、1日ではなく、ふだんの食事で見る値
食事摂取基準の値は、ある1日の食事の量を、多い・少ないと決めるための物差しではありません。
同じ資料の総論では、食事摂取基準は、ふだんの食事で続けてとっている量の基準を、「1日あたり」で表したものだと説明されています。1日など短い間の食事の基準を示すものではない、とも書かれています。ふだんの食事の量をつかむには、おおむね1か月ほどを見ることが必要だと考えられています。
また、1人の人が食べる量は、日によって大きく変わります。ですので、国の値は、肉や魚を残した1日だけを取り出して比べるための物ではありません。
ただし、これは国の値の読み方の話です。下の「相談したほうがよい様子」に当てはまるときは、1か月を待たずに相談してください。
なお、同じ食事摂取基準では、たんぱく質から取るエネルギーの割合に、上の目安(1歳以上は、1日のエネルギーの20%まで)も示されています。たんぱく質は、多ければ多いほどよい、というものではありません。
ご飯や牛乳からも、たんぱく質は入っている
たんぱく質は、肉や魚だけでなく、ご飯や牛乳、豆腐など、毎日の食事のいろいろな食べ物に含まれています。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023」では、100gあたりのたんぱく質は、次のとおりです。
| 食べ物 | 100gあたりのたんぱく質 |
|---|---|
| ご飯(白米) | 2.5g |
| 牛乳 | 3.3g |
| 木綿豆腐 | 7.0g |
| 鶏卵(生) | 12.2g |
| 納豆 | 16.5g |
これは100gあたりの量で、子どもが1回に食べる量とは異なります。卵の値は、生の状態で量った値です。
例えば、朝にご飯と牛乳、夜に豆腐の味噌汁を食べていれば、肉や魚を残した日でも、ほかの食べ物からもたんぱく質が入っています。ただし、それでその日の量が足りているかどうかまでは、この表からは決められません。今日は、肉や魚のほかに、たんぱく質を含む食べ物がどの食事に入っていたかを、1日分ふり返ってみましょう。
もちろんですが、卵・牛乳・大豆などで食物アレルギーがある子や、疑われる子は、これまで食べたことのない食べ物を出す前に、その食べ物を食べさせてよいか、どのように出せばよいかを、かかりつけのお医者さんに相談してください。そのうえで、お医者さんの指示にしたがって進めましょう。
のどに詰まらせないために(特に2〜5歳の子は注意!)
食事を出すときは、のどに詰まらせないように、消費者庁の注意に合わせて、以下のように対応しましょう。
- 豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食べ物は、5歳以下の子どもには食べさせない
- ミニトマトやぶどうなどの丸い食べ物は、4等分にするか、調理してやわらかくする
- 食べているときは、姿勢をよくして、食べることに集中させる
のどに詰まらせる事故について、こちらもぜひ目を通しておいてください。
食事の工夫より先に、相談したほうがよい様子
次のような様子があるときは、食事の工夫より先に、相談してください。
- 子どもの元気や食欲が落ちて、それが続く → かかりつけの小児科
- 体重が増えない・減っている → かかりつけの小児科・市区町村の保健センター
- 食べられる物がごく少ない → かかりつけの小児科・市区町村の保健センター
- 乳幼児健診や園で、受診をすすめられた → すすめられた先・かかりつけの小児科
- 体型や体重を気にして、自分で食べる量を減らしている → かかりつけの小児科
子どもの元気や食欲が落ちて、それが続くときは、かかりつけの小児科に相談してください。
あわせて読みたい、子どもの必要カロリーの記事
たんぱく質と同じように、体重のわりに多く要るエネルギーの国の値と、そのわけは、子どもの必要カロリーは?の記事でも説明していますので、ぜひご覧ください。
同じ話を、子どもの体の中からnoteでも書いています
子どもが食べたたんぱく質が体の中で何に使われるかについて、同じ運営者のnoteの無料の記事食べたたんぱく質は、子どもの体で何になる?で書いています。肉や魚で手が止まる口の中のわけと、たんぱく質を含む食べ物を食べやすい形で出すやり方もお伝えしています。
出典(2026年11月5日確認)
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書|厚生労働省
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)総論|厚生労働省
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)たんぱく質|厚生労働省
- たんぱく質(小山達也・2026年11月2日更新)|e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 日本食品標準成分表(八訂)増補2023|文部科学省
- 食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!|消費者庁
- 硬い豆やナッツ類をはじめとする食品での窒息や誤嚥に注意!(2024年1月22日)|消費者庁
この記事は、国や学会が公開している資料と、公開されている論文をもとに構成しました。数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
診断や治療をするものではありません。
検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

