「昨日の夕ごはんはおかわりまでしたのに、今朝はパンを2口かじっただけ」。そんなことがあると、「どこか具合が悪いのかな」「このままでいいのかな」と気になりませんか?
子どもが1回の食事で食べる量は、日によって驚くほど変わるもの。
そこで、今回は子どもの食べムラについてお伝えしていきます。
この記事では、子どもの1回ごとの食事の量と1日の合計の量を比べた研究と、食べムラを1日の流れで見る見方を知ることができます。
食べムラは、食べる量が食事ごとに大きく変わること
食べムラとは、食べる量が、食事ごとや日ごとに大きく変わることです。同じ料理を出しても、よく食べる日と、ほとんど手をつけない日があります。朝は食べなかったのに、おやつや夕ごはんはしっかり食べる、ということもあります。
作る側から見ると、1回ごとの食事の量が目に入りやすいので、少なかった1回が強く心に残ります。そこで、1回ごとではなく1日の合計で見ると、子どもの食べる量はどう見えるのかを、研究から見ていきましょう。
研究では、1回の量が違っても1日の合計は近かった
米国の研究(Birch 1991)では、2〜5歳の子ども15人について、6日間、24時間に食べた物をすべて測りました。そして、朝・昼・夕の3回の食事と、午前・午後・夜の3回のおやつの、6回それぞれのエネルギーの量が、日によってどれくらい変わるかを子どもごとに調べています。
その結果、1回ごとの食事のエネルギーは、日によって大きく変わっていました。一方で、1日の合計のエネルギーは、子どもごとに見ると、日によってあまり変わりませんでした。日による変わりやすさを割合で表すと、1回ごとの食事は平均33.6%、1日の合計は平均10.4%で、1回ごとの食事のほうが3倍ほど大きく変わっていました。
多くの場合、ある回にたくさん食べると次の回は少なめに、少なかった回の次は多めに食べていました。研究者たちは、子どもが続く食事の中で、食べるエネルギーの量を合わせているためだと考えています。
ただし、これは米国の15人の子どもを6日間調べた研究です。一人ひとりの子どもの食べ方が、いつもこうなると決める数字ではありません。
なぜ、1回ごとに食べる量が変わるの?
ここで、子どもの体の大きさと、1回に食べられる量から考えてみましょう。
子どもは、体が小さいわりに、体重1kgあたりで見ると大人より多くのエネルギーを使っています。体の細胞の中では、食べた物から毎日エネルギーが作られていて、育ち盛りの体はそれをたくさん使います。
一方で、和歌山県の資料では、幼いうちは消化器官が十分に育っていないため、一度にたくさんの量を食べられず、食事だけでは要るエネルギーや栄養素をとりきれない場合があるとしています。そのような場合は、食事を補うものとして、おやつを用いると説明しています。
つまり、子どもの1日の食事は、量の少ない回をいくつも重ねてできています。先ほどの研究でも、おやつを含めた6回を合わせて、1日の合計を見ていました。
1回ではなく、おやつも含めた1日の流れで見る
1回の食事だけで、「今日は食べなかった」と決めずに、おやつも含めた1日の流れで見てみましょう。ただし、これは子どもがふだんどおり元気に過ごしている日の見方です。元気がない、いつもと様子が違うと感じるときは、1日の流れを待たずに、かかりつけの小児科に相談してください。
例えば、朝ごはんをほとんど食べなかった日は、昼ごはんとおやつ、夕ごはんまで見てから考えます。研究の子どもたちのように、少なかった回の次に多めに食べていることもあります。
今日は、子どもが食事とおやつを食べた時刻と、だいたいどれくらい食べたかを、1回ずつ1行で書いてみましょう。書く物は、紙でもスマホでもかまいません。書き出してみると、1回ごとの多い・少ないと、1日の流れの両方が見えてきます。
もし、おやつのすぐあとの食事で食べる量が少ないことが続くなら、おやつの時刻を見てみましょう。世田谷区の保育園の栄養士の資料では、次の食事に影響しないよう、おやつを食べる時間と量を決めるようすすめています。
のどに詰まらせないために(特に2〜5歳の子は注意!)
どの食べ物でも、のどに詰まらせることがあります。おやつの時間を考えるときは、以下のように対応しましょう。
- 硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類は、5歳以下の子どもには食べさせないでください
- ミニトマト・ぶどう・さくらんぼ・個装チーズは、形や大きさから、のどに詰まりやすいので避けましょう。やむを得ず使うときは、ミニトマトは4等分に、ぶどうやさくらんぼは4等分にして口に残る皮も取り除き、個装チーズは加熱して、形と大きさを変えましょう
- もちや白玉団子のように、ねばりが強く飲み込みにくい物や、アメ類・ラムネは避けましょう
- 食べるときは姿勢をよくし、食べることに集中できるようにしましょう。泣いているときに食べ物をあげるのもやめましょう
- 急かさずにゆとりをもって、食べる前には水分をとるよう促し、口に詰め込みすぎないように声をかけましょう。小さく切っても口に詰め込むことがあるので、少しずつよくかんで食べるよう伝え、様子を見守りましょう
のどに詰まらせる事故について、こちらもぜひ目を通しておいてください。
1日の流れを見るより先に、相談したほうがよい様子
食べムラのほかに、次のような様子があるときは、1日の流れを見るより先に相談してください。
- 子どもの元気や食欲が落ちて、それが続く → かかりつけの小児科
- 体重が増えない・減っている → かかりつけの小児科・市区町村の保健センター
- 食べられる物がごく少ない → かかりつけの小児科・市区町村の保健センター
- 乳幼児健診や園で、受診をすすめられた → すすめられた先・かかりつけの小児科
子どもの元気や食欲が落ちて、それが続くときは、かかりつけの小児科に相談してください。
あわせて読みたい、子どもの必要カロリーの記事
国が示している年齢別のエネルギーの値の読み方と、おやつから次の食事までどれくらいあけるかの目安は、子どもの必要カロリーは?の記事でも説明していますので、ぜひご覧ください。
同じ話を、親の側からnoteでも書いています
食べムラの日に、その1回ではなく1日の流れで見るやり方は、同じ運営者のnoteの無料の記事昨日は食べたのに今日は食べない、2〜5歳の子どもの食べムラでも書いています。夜にその日の食事を思い出して見るときの見方を、親の側からお伝えしています。
出典(2026年10月31日確認)
- Birch LL, et al. The variability of young children’s energy intake. The New England Journal of Medicine. 1991;324(4):232-235(米国の2〜5歳の子ども15人。6日間の24時間の食事の量。1回ごとの食事の変動係数の平均33.6%、1日の合計の変動係数の平均10.4%。多く食べた回の次は少なく、少なかった回の次は多いことが多かった)
- おやつの選び方 注意点|和歌山県(一度にたくさんの量を食べられず、補助的な食事としておやつを用いる。避ける食材と、やむを得ず使う場合の切り方。与え方の注意点)
- おやつについて(南桜丘保育園 栄養士より)|世田谷区(次の食事に影響しないよう、食べる時間と量を決める)
- 食品によるこどもの窒息事故 防ぐための工夫とは?|こども家庭庁
- 硬い豆やナッツ類をはじめとする食品での窒息や誤嚥に注意!(2024年1月22日)|消費者庁
この記事は、国や学会が公開している資料と、公開されている論文をもとに構成しました。数値と出典は一次資料と照らして確認しています。
診断や治療をするものではありません。
検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

