MCVとは|血液検査で高い・低いときに何を見ているのか

MCVとは ── 血液検査で高い・低いときに何を見ているのか 検査値の読み方

血液検査の結果票を見ていて、「MCV」という見慣れない3文字に目が止まったことはありませんか?数字は90前後のことが多く、単位はfL(体積の単位)と書かれています。

高い・低いの印が付いていたり、範囲の端に近かったりすると、何を測っているのか気になりますよね。

そこで、今回はMCVという検査の項目についてお伝えしていきます。

この記事では、MCVが何を見ている数字なのか、そして高いとき・低いときに、次にどの項目を見ればよいのかを知ることができます。

MCVは、赤血球1個あたりの平均の大きさ

MCVは、赤血球1個あたりの平均の体積です。つまり、赤血球の大きさを見ています。そしてこの大きさは、赤血球を作るときに何が足りなかったかによって、大きくも小さくもなります。

赤血球の大きさは、足りない材料で変わる

赤血球を作る工程を、材料の側から見ると分かりやすくなります。

赤血球の中身は、ほとんどがヘモグロビンです。そのヘモグロビンを作るには、鉄が要ります。鉄が足りないと、中身が十分に詰まっていない、小ぶりな赤血球ができてしまいます。鉄が足りない状態でMCVが低めになるのは、そのためです。

一方で、細胞そのものを分裂させるには、DNAを作る材料が要ります。ここで働くのが、ビタミンB12と葉酸です。これらが足りないと分裂がうまく進まず、十分に育ちきらないまま、大きな赤血球ができます。B12や葉酸が足りない状態でMCVが高めになるのは、こちらの流れです。

ビタミンB12は、食べ物から胃や腸を通って体に吸収されます。胃の手術のあとなどで、この吸収がうまく進まなくなると、B12が足りない状態になることがあります。体には数年分のB12の蓄えがあるので、胃の手術から何年もたってから、貧血として表に出てくることもあります。

つまりMCVは、次にどの方向を見ればよいかを示してくれます。

  • 低め — 鉄のほうを見る(鉄欠乏、サラセミア〈ヘモグロビンの異常の1つ〉など)
  • 高め — ビタミンB12や葉酸のほうを見る

日本の医療機関の解説でも、この分け方が貧血の原因を絞り込む最初の手がかりとして使われています。

ヘモグロビンが範囲内でも、MCVは先に動くことがある

貧血と診断される前の段階でも、MCVが先に動くことがあります。

例えば、ヘモグロビンが範囲の下のほうで、MCVも低めなら、鉄のほうを見る理由があります。ヘモグロビンが同じく範囲の下のほうでも、MCVが高めなら、見る方向は逆になります。同じ「ヘモグロビン範囲内」でも、MCVによって次に見るべき項目が変わるということです。

ただし、注意もあります。鉄が足りない状態と、B12や葉酸が足りない状態が同時に起きていると、大きい赤血球と小さい赤血球が混ざります。すると、MCVは平均として真ん中あたりに落ち着いてしまいます。MCVは平均の数字なので、こうした打ち消し合いが起こります。MCVだけを見て安心はできません。

MCVは、次にどこを見るかの矢印

結果票でMCVを見たら、近くの項目も一緒に見てみましょう。例えば、MCVが低めなら、同じ結果票のヘモグロビンと、鉄の蓄えを表すフェリチンの行を探してみます。フェリチンは健康診断の基本の項目にはふつう入っていないので、行が無いこともあります。

鉄の蓄えがヘモグロビンより先に減る話は、フェリチンとはでも説明していますので、ぜひご覧ください。

MCVの隣に並んでいるMCHとMCHCも合わせて見ると、赤血球の中身の詰まり具合という、別の面から確かめられます。この2つは測った数字ではなく、計算で出した数字なので、元のヘモグロビンなどとセットで読みます。読み方はMCHとMCHCの違いで説明しています。

なお、MCVが動く原因は、栄養だけとは限りません。骨髄の働き、胃や腸からの出血、甲状腺、お酒なども関わります。MCVで分かるのは見る向きまでで、原因を決めるのは医療機関です。MCVの数字が気になるときは、結果票を持って、検査を受けた医療機関やかかりつけのお医者さんに相談してください。

病院でフェリチンなど健診に無い項目を頼めるか迷っている方へ。頼むこと自体はでき、健康保険が使えるかどうかは、医師が診療上必要と認めるかで決まります。分かれ目は健康診断にない血液検査は病院で頼める?にまとめています。

食べた鉄が体に入る量については、鉄の吸収率にまとめています。

出典(2026年10月確認)


この記事は、公的機関・学会・査読のある論文をもとに構成しました。下書きの作成にAIを使い、数値と出典は一次資料と照らして確認しています。

この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。検査結果について気になることがあれば、検査を受けた医療機関か、かかりつけの医師にご相談ください。

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